2012年1月に見た、読んだ、使ったもの
あけましておめでとうございます(もう2月だ!)。
このエントリでは、年明けから1ヶ月くらいのあいだに見たもの、読んだもの、使ってみたものを日記帳(DAY ONE)から掘り起こしてみました。
そうそう、未見なら『ALWAYS三丁目の夕日'64』をぜひ。今回も素晴らしかったですよ!
【見たもの】
『ALWAYS三丁目の夕日'64』★4
父から子へ。子からまた子へ。愛するが故の文化は確かに子へ伝承されたはず。
しかし、子が正しく受け取ってしまったことで、本来の機能は無効化されてしまった。でも個人的には新しい機能のほうが好み。憎しみより愛のほうが強いかどうかはわからないけど、長期的には両者を幸せな関係で取り結ぶはずだから。
俳優の堤真一と吉岡秀隆の「父」ぶりが実にいい。堤の鉄拳(『ウォッチメン』そっくり!)には劇場がドカンッと湧いていたし、吉岡の文化の伝承には口元がぷるぷる震えぱなしでした。
このシリーズ、全部大好き。
『ホール・パス』★4
既婚者版『サイドウェイ』。
「ホールパス」とは独身期間のチケット(無形)のこと。妻からチケットをもらった夫たちはどう振る舞うのか。
ファレリー兄弟の作品らしく「男の本音をそこまで言っちゃうの?」というカミングアウトで楽しませてくれる。1週間しかない貴重な独身期間を妄想話に花をさかせる男子会に使ってしまうくだりには、げらげら笑わせてもらった。もっと有効活用しようよ!
ただ、この作品、ラストがちょっと弱い。主人公の最後の決断の動機が「痛み」じゃなく「記憶」なんだよね。
「痛みを伴わない教訓には意義がない。人は何かの犠牲なしに何も得る事などできない」*1から、1週間後には元の木阿弥になってそうなんだよなあ。
『カンフーパンダ2』★2
「1」最大の謎、主人公の出生の秘密が解ける。
ただ、ちょっと引っかかったのは、「1」でフリーザ級の敵を倒した主人公が「2」ではナッパ級の敵に苦戦してること。なぜ「1」で覚えた超必殺技を忘れてしまったんだ!とずっと心のなかで叫んでました。
「アメトーーク 第12回プレゼンSP」
麒麟の川島のプレゼンー「ちゃんとしてなきゃいけない芸人」が一番面白かった。
そうだよね、しっかりしてるからこそ一人何役もこなさなきゃいけない芸人は大変だよね。
そんな芸達者な人間からすると、ちょっと抜けてるけど可愛がられている狩野英孝が羨ましく見える、というのは意外だった。
【読んだもの】
- 作者: 宇野常寛
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/09/09
- メディア: 文庫
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なるほど、宮藤官九郎の「木更津キャッツアイ」矢口史靖 の『ウォーターボーイズ』など、身近な郊外がどうしようもなく魅力的に映るのは、それが理由かも。
「大きな物語」を失い、「終わりなき日常」が続く現代においては、人生の意味や価値をだれも与えてはくれない。だからこそ知恵を絞って、人生を意味を決断主義的ーたとえ究極的には無価値でも、特定の価値を選択するー態度でもって獲得しに行かなければならないという指摘には、心がぐっとなった。
ゼロ年代のマンガ、アニメ、ドラマの分析も面白い傑作。
『情報の呼吸法』@津田大介
- 作者: 津田大介
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2012/01/10
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ひとつめは、「自分にボールを投げてアイデアの文脈を作る」。つまり「一人キャッッチボール」のこと。一人二役をこなしていると、いつのまにかそこに「文脈」が生じてくる。実際にでやってるんですが、これは実感してるところです。
ふたつめは、「誤配を通じて自分を知る」。知りたいことは自分で調べられるけど、気になることを仕入れるには適度な○○が必要。この「誤配力」がツイッターの魅力。考え方がちがう人をフォローしておくのも手。
みっつめは、「自分自身も他人の資本である」。《じぶんをは資本を使う主体のみならず、他人の資本として使われる客体でもある》というくだりには、そうか!と納得。
- 作者: 井上明人
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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オバマの選挙戦略をゲームというフレームから眺めてみると、選挙を手伝う=HP内でレベルUPするというRPGゲームのように設計されていたことがよく分かる。賢いなぁ。
この話の肝は「他人(オバマ)の人生ゲーム」から「私のゲーム」にしたところにあるんじゃないかな。
このアナロジーで、勉強や就活や起業などを「私のゲーム」としてデザインすることもできるはず。
ポイントは、徐々に飽きてくるゲームを、いかに飽きづらくデザインしてコンプリートするか、かな。
『小商いのすすめ』@平野克美
- 作者: 平川克美
- 出版社/メーカー: ミシマ社
- 発売日: 2012/01/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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そんな社会では、貧しいけれど豊かな「小商い」スタイルが適している。
小商いとは「いま・ここ」にある自分に関して、責任を持つ生き方のこと。責任がないことにあえて責任を持つことで、人は大人になる。大人がいないと社会がまわらない。「ALWAYS」の鈴木オートや茶川竜之介を見ればよくわかる。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』@古賀史健
- 作者: 古賀史健
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/01/26
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→文体とはリズムである。
→「そこに接続詞が入るかチェックせよ」という意識化。
→断定を使った文章では、いつも以上に論理の正確性が求められる。
→導入部・・・客観カメラ、本編・・・主観カメラ、結論・・・客観のカメラ。
→構成とは眼で考えるものだから、紙に図解を書いて考えた方がいい。
【使ったもの(iPhone・iPadアプリ)】
「DAY ONE」
デジタル版日記帳。ちなみに、アナログ版には「スマートノート」を愛用。
このアプリに、ツイートには適してないささいな言葉やネタや思考をストック。
これで津田さんが提案する「情報を振り返」えることができちゃう。ツイートを振り返るならTwilogがある。私的なつぶやきを振り返るならDay Oneで充分かも。1週間のできごとを振り返るのもラクチン。
iPhoneとMacで書き込むことができ、同期も一瞬(ここはATOKPadより断然いい)。
オススメです。
*1:『鋼の錬金術師』