映画紹介 「アンフェアthe movie」


友人に薦められて、フジテレビ制作の「アンフェア」を見る。
物語は、雪平警部補(篠原涼子)と斉木警視(江口洋介)らが船舶の積荷を調査するシーンから始まる。
篠原は集団行動を嫌い、単独で調査している。調査中、篠原から証拠を見つけたと報告が入る。それを知った船員が江口に向かってとつぜん射撃。
応戦する江口くん。逃げる敵。追う江口くん。敵を追って暗い倉庫に入っていくと、背後から敵が現れ、銃を突きつけられる。
まずい。絶体絶命のピンチだ。
銃を江口くんに向けながら敵は言う。


敵 「おい。こういうとき、日本語で何ていうんだ?」
江口「メイビー、銃を捨てろ、かな」


自信ありげである。
なぜ、自信満々なのだろうか?
そこへ、


「銃を捨てなさい」


といいながら、仁王立ちして銃を構えている篠原さんが。
い、いつの間に。


敵はすかさず江口君に近づき、片腕でクビをロック。もう一方の腕で、頭に銃を突きつける。
ま、でも、安心だよね>江口くん。篠原さん、凄腕っぽいし。
篠原さんにカメラがフォーカスしていると、「バン!」という銃声がとつぜん鳴り響く。
どうやら江口くんは拳銃を抜いて、敵の足に一発お見舞いしたようだ。
大きな声を上げて痛がる敵。それを尻目に、江口君は篠原さんに向かって一言。


「悪い。気が短いんで、さき撃った。それに生きて確保したかったからね」


って、おい。
どうやって首ロック状態から抜け出してたの? 「もう逃げていいよ」と善良な敵がロックを外してくれない限り、無理だと思うんだけど。


この展開に驚いていると、彼らはもう帰路についている。


篠原「酒飲みのカンで、斉木さんが何を言おうとしているかあててみましょうか」

江口「どうぞ」

篠原「お前がこれまで生きてこれたのは、たまたま運が良かっただけ。単独行動は二度とするな、でしょ?」

江口「それは以前いた捜査1課のルールですね。公安のルールは違いますよ。終わりよければ全てよし・・、かな。」

篠原 (口元に微笑を浮かべる)


凍えるような台詞と、微妙すぎるストーリー展開が2時間続く。
そもそも語るべきことがないのに、ムリに映画製作していているんだから、当然の成り行きかもしれない。
たしかに映画は制作費がほぼゼロ円の文学とはちがい、多額の資金を投入し制作されるのだから、利益を追求することは悪いとは言えない。それがなくては、成立しないとも言える。
しかし、だからといって安直な経済的動機による利益追求だけでは、これもまた問題がある。利益は観客が動いた結果だ。その観客を何度も失望させたら、もう信用されなくなる。信用を取り戻すのは大変だ。だから最初から丁寧に制作するほうが、結局のところ効率は良いはずなんだけど・・・。