2010-01-01から1年間の記事一覧

11歳にして「大人」ヒット・ガールの衝撃→『キック・アス』

2010年はよい年でした。年末にベスト2の作品に出会えたから。 主人公のデイブはヒーローに憧れる高校生です。デイブはちょくちょくカツアゲされてるような男の子で、ある日「ヒーロー映画ってたくさんあるのに、なんでヒーローっていないんだろう?みんな悪…

2010年映画ベスト10

今年もあと3時間ほどですね。 大掃除のついでに映画の整理もしておきたいと思います。 1. ヒーローショー ヒーローショー [DVD]出版社/メーカー: よしもとアール・アンド・シー発売日: 2010/11/26メディア: DVD購入: 3人 クリック: 89回この商品を含むブロ…

ゼメキスとドナーの『クリスマス・キャロル』

ちょっとまえにロバート・ゼメキスの『DESNEY'S クリスマス・キャロル』を見たんです。 これ、すんごく退屈で見てられませんでした。 導入部がヘタクソすぎるんですよ。 リチャード・ドナーの『三人のゴースト』と比較するとよくわかるんですけど、ゼメキス…

MacBookAir買いました

もう1ヶ月ほど前になりますがMacBook Air 11inchを買いました。 Apple MacBook Air 1.4GHz Core 2 Duo/11.6"/2G/64G/802.11n/BT/Mini DisplayPort MC505J/A出版社/メーカー: Apple(アップル)発売日: 2010/10/21メディア: Personal Computers購入: 1人 クリ…

作品の見方→『ザ・メンタリスト』

『ザ・メンタリスト』という海外ドラマを見ました。 今回は「作品の見方」の話しをします。 そうです。ボク的には「なし」なドラマだったので、なぜなしだと思ったのかにつ いて書いて逃げよう作戦です。 さて。 このドラマの主人公は人の心を読み、思考と行…

「書き言葉」をインストールしよう→『文書術ー読みこなし、書きこなす』

文書術―読みこなし、書きこなす (中公新書)作者: 工藤順一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2010/09メディア: 新書購入: 3人 クリック: 76回この商品を含むブログ (9件) を見る ご無沙汰してます。 映画をいくつか観たのでそのレビューも近々書こうと思…

幸福と苦悩→『悪人』

震えました。 とんでもなく息苦しくて切ない2時間19分でした。 が、だからこそ、映画観に通っているというもの。これは観ておいてほんとうによかっ た。 タイトルにある「悪人」とは妻夫木のことを指すように思いがちですが、ちがいます。 どう見ても妻夫木…

能力主義社会での生き方→『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法作者: 橘玲出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2010/09/28メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 1,035回この商品を含むブログ (122件) を見る この本の結論はさほど目新しいことをいってません。 どこかの本で聞いた…

外の世界から身を守るための敬語→『ちゃんと話すための敬語の本』

ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)作者: 橋本治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/01/01メディア: 新書購入: 8人 クリック: 61回この商品を含むブログ (62件) を見る 書店でこの本を手にとったとき、ぼくは宇多田ヒカルを思い出しました…

宗教の矛盾→『シークレット・サンシャイン』

以前映画ヲタのあいだで話題になった韓国映画『シークレッ ト・サンシャイン』をようやく鑑賞しました。 とにかく重たい映画でしたが(そのわりに、ソン・ガンホの KYキャラが可愛らしくてマル)、神の受容から否定の論理がと ても面白かったです。 主人公の…

究極の2択→『わたしと仕事、どっちが大事?』

「わたしと仕事、どっちが大事?」はなぜ間違いか―弁護士が教える論理的な話し方の技術作者: 谷原誠出版社/メーカー: あさ出版発売日: 2006/08/28メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 23回この商品を含むブログ (31件) を見る ときどき耳にする究極の2択。 …

『ハート・ロッカー』

すんごく面白かったです。 まさかここまで見れるものだとは思っていませんでした。 おそらく戦争映画である以前に、ひとりの男の成長譚だからではないかと。 以下、考えたこと・気付いたこと・気になったことのメモです。 ・自己チューで自信たっぷりな男が…

カラフルなじぶん→『カラフル』

クレヨンしんちゃんで金字塔を打立てた原恵一監督の『カラフル』を観てきました。 原恵一の作品はクレヨンしんちゃんの「オトナ帝国の逆襲」と「戦国大合戦」と、あと は「河童のクゥと夏休み」を観たくらい。 で、今回の『カラフル』。 タイトルにカラフル…

世の中のルールを知る→『カイジ〜人生逆転ゲーム〜』

先日、誕生日プレゼントをくれた友人から映画版『カイジ』の感想を聞いたので、本日はそのネタを書きたいと思います。 予告編から怪しげな感じは際立っていますが(ここでひとつ予言しましょう。「ラストであなたは必ずや吹くでしょう!」)、感想を聞くのは…

ホップ、ステップ、ジャンプ→『虐殺器官』

先日、伊藤計劃さんの『虐殺器官』というSF小説を読みました。 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2010/02/10メディア: 文庫購入: 75人 クリック: 954回この商品を含むブログ (517件) を見る これが大変読み応えのあ…

明日もまた日は昇る、じゃない!→『知性の限界』

すごくおもしろい本を読みました。 知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)作者: 高橋昌一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/04/16メディア: 新書購入: 17人 クリック: 192回この商品を含むブログ (70件) を見る この本のなにがお…

人はイメージで判断してる→『ゴールデンスランバー』

堺雅人が主演の『ゴールデンスランバー』を観た。 タイトルに使われている『ゴールデンスランバー』とはビートルズの楽曲から引いてるもので「黄金のまどろみ」という意味*1。 まどろみという表現は暗喩的で分かりづらいけど、これはおそらく「キラキラ輝い…

「見えない」ものを「見る」方法

このあいだ『批評理論入門』という本を読んだんですが、読んでいて発見したことがあっ たので、今日はそれを書きます。 批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)作者: 廣野由美子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/03/01メディア…

これは夢か現実か→『インセプション』

『ダークナイト』で批評家たちに大絶賛されたクリストファー・ノーラン監督の新作『インセプション』を観てきました。 これがなかなか面白かったんですよ。 映画自体はそれほどだったのですが、モチーフがなにより興味深かったんです。 で、この映画が何を問…

非モテ&SWファン必見→『ファンボーイズ』

スターウォーズが大好きなオタク4人組が『スターウォーズエピソード1/ファントム・ メナス』公開を待ちきれず(時代設定:1998年)スカイウォーカーランチにフィルム を盗みに行くというおバカコメディ映画『ファンボーイズ』を見ました。 これ、TSUTA…

今夏最高のコメディ映画→『ハングオーバー』

ざっくりとした感想を書きます。最高におもしろいスーパーバッドな コメディ映画でした。あれだけ笑ったのは『トロピックサンダー』*1以 来はじめてです。 奥深いテーマなどはなく、結婚を数日後に控えた男が、友人たちとラ スベガスに行き、めちゃくちゃな…

『ご飯を大盛りするオバチャンの店は必ず繁盛する』

ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 (幻冬舎新書)作者: 島田紳助出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2007/05メディア: 新書購入: 5人 クリック: 194回この商品を含むブログ (127件) を見る 島田紳助が経営者であ…

禁じられた数字から身を守るには…→『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』

「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 禁じられた数字〈下〉 (光文社新書)作者: 山田真哉出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/02/15メディア: 新書購入: 2人 クリック: 195回この商品を含むブログ (161件) を見る ひとつ前のエントリで扱った…

数字はレトリック→『食い逃げされてもバイトは雇うな』

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字 〈上〉 (光文社新書)作者: 山田真哉出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/04/17メディア: 新書購入: 3人 クリック: 170回この商品を含むブログ (243件) を見る このタイトルの意味するところは、「食い逃げ防…

すごいぜ、iPad

革命的なデバイスが登場しました。 「期待値が高いとあとで失望する」 と言われますが(実際そうです)、iPadにとって過剰な期待などなんのその。 プレッシャーにもなりません。軽くK点を超えていきました。 ズバッとね。 ほんとうに素晴らしい端末の登場で…

無理なく人を動かす方法→『戦略的思考の技術』

戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する (中公新書)作者: 梶井厚志出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2002/09/01メディア: 新書購入: 36人 クリック: 205回この商品を含むブログ (74件) を見る 世の中には見えていないものがある、というのは常套句だけ…

 「体の声を聴け」

長いあいだ更新せずにすみませんでした。 いろいろと忙しかったことと、パワーアップのトレーニングをしている最中 で、なかなか映画批評がなかなか書けなくて…。 と、エクスキューズはこのくらいにして、ネタが入荷したので、本日はそれ について書きたいと…

責任を引き受けることで大人になる→『アリス・イン・ワンダーランド』

見てきましたよ。 ティム・バートンの『アリス・イン・ワンダーランド』。 じゃ、簡単に映画評をば。 ざっくりいうと、少女が「ワンダーランド」を旅して、大人になって「現実 の世界」に戻ってくるという話。 この作品で問われいるのは「決断」ですね。 ワ…

自分を決めるのは自分自身だ→『アイアン・ジャイアント』

むかし、スガシカオの「progress」という曲を聴いて違和感を感じたこと がある。 ぼくが歩いてきた日々と道のりをほんとは"ジブン"っていうらしい どうも自分とは過去に「あった」もののことを言うらしいな、と人生の先輩 に言い放たれて、それってなんかヘ…

精神異常者とはオレたちのこと→『シャッターアイランド』

注意 :オチに触れてます。 というか、オチだけを語ってます。 「それが何か?」という奇特な方だけお読みください。 もう事前に予告編見たくないです。 なぜなら、予告編には重大な「手がかり」が示されていたから。 1 脳科学者の池谷裕二さんによる説明。…