映画

2012年1月に見た、読んだ、使ったもの

あけましておめでとうございます(もう2月だ!)。 このエントリでは、年明けから1ヶ月くらいのあいだに見たもの、読んだもの、使ってみたものを日記帳(DAY ONE)から掘り起こしてみました。 そうそう、未見なら『ALWAYS三丁目の夕日'64』をぜひ。今回も素…

2011年映画ベスト10

今年観た映画はトータルで67本でした。 年内までに、『宇宙人ポール』や『ゴーストライター』、『リアル・スティール』を観る予定なので順位変動があるかもしれませんが、いままでに観た映画ベスト10を発表しちゃいます。 第1位『ソーシャル・ネットワ…

バイキンマンが負け続け、アンパンマンが勝ち続けるわけ:『メガマインド』

世の中に流通している物語の多くは「正義の側」から描かれていますが、ドリームワークスが制作した『メガマインド』は「悪者の側」の視点から描かれています。 いわばバイキンマン的視点ですね。ここがちょっと新しいです。 MEGAMIND: Ultimate Showdown (輸…

心よりも行為:『50/50』

ヒドイ目にあったら、だれだって自分のことで精一杯になる。どうやったら今より良くなるのか、なぜこんなことになったのか。悩み、後悔し、不条理に不満を感じる。 ラジオ局に勤めているアダム(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、早朝からランニングをし…

知識を思考の棚にしまおう:『自分のアタマで考えよう』その4

ブログ更新をさぼっているあいだ、アクセス数が飛躍的に伸びた日がありました。 原因を調べてみると、ちきりんさんにツイッターで紹介してもらえたからでした。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = wind…

 ゴーストバスターがやってきた:『モテキ』

映画版『モテキ』観てきました。 今回も傷ついたなぁ(笑) 『モテキ』の面白さは、作者・久保ミツロウさんによるゴーストバスターとしての仕事ぶりにあります。 主人公の藤本幸世のもとには、かわいい女の子たちが次々と寄ってくる。で、打てば響く太鼓のよう…

関心と仮説と『探偵はBARにいる』:『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』

まったく同じものを見ているのに、まったく感想がちがう。 面白い人というのは、たいていそれですよね。思ってもいなかった意外なことをいう。 それは「関心」と「仮説」の結果です。 まず、関心を持てば、全体像なり、何かが見えてきます。少なくとも見よう…

ウソつきは大人の役割:『ウソから始まる恋と仕事の成功術』

「ウソのない世界」をご存じでしょうか。 ご存じない? では、こちらを。 この世界にはウソがひとつもありません。すべて真実で成り立っています。 「ハーイ」 「ぼくはマーク。調子はどう?」 「不愉快だわ。今夜のデートも後悔してる」 「・・・そう」 ウ…

復讐の終着点:『悪魔を見た』

復讐の終着点を見た。 悪魔を見た スペシャル・エディション [DVD]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2011/08/02メディア: DVD購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (34件) を見る 復讐とは仕返しをすることです。 「オレからこれだけ奪った…

孤独と仲間と花言葉:『サマーウォーズ』と『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』

※おもいっきりネタバレしてます。ご注意ください。 夏の定番映画『サマーウォーズ』を観ました。 やはり傑作ですね。もう10回は観ているはずなのに、どうしても涙腺が揺るんでしまいます。ううぅ。 観ていて気づいたのが、細田守監督の「仲間」や「孤独」…

物語内・外の整合性:『チャーリー・シーンのミスター・グッド・アドバイス』

原題は『Good Advice』。 このタイトルを知って、ハードルを上げてるなぁ、という印象を受けました。 なぜなら「アドバイス力」が問われる映画だから。 チャーリー・シーンのMr.Good Advice [DVD]出版社/メーカー: フルメディア発売日: 2007/12/21メディア: …

生き延びるための物語:『世界の電波男』

なぜぼくたちは物語を求めているのか。 それは「願望充足の予感」を与えてくれるから。 世界の電波男 ― 喪男の文学史作者: 本田透出版社/メーカー: 三才ブックス発売日: 2008/04/24メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 119回この商品を含むブログ (51件) を…

科学者としてのハリーポッター

ハリポタ世界における魔法は科学そのものです。 科学とは「誰がやっても同じ結果が得られるもの」です。ただしい手順さえ踏めば、誰でも魔法を使うことができますす。ポリジュース薬をつくるには、正しいモノを、正しい量だけ入れ、正しい手順を踏めば、誰で…

母からの卒業:『SUPER8/スーパーエイト』

ジョーが持ち歩いているペンダントは、いまは亡き母そのものだ。 母を失ったジョーの顔には、悲しみは見当たらない。しかし、自分と母の写真が納められているペンダントを大切に持ち歩いていることが、母を忘れられずにいることを表している。 ある日、ボン…

必然的に起きた正しいこと:『127時間』

わがままな人は厄介です。自分の力で生きていると思ってるから、人を頼らないし耳も貸さない。彼らには言葉が届きません。 そんなわがままな人・アーロンは、ブルージョン・キャニオンという目的地を目指している途中、岩に腕を挟まれてしまいます。岩に体当…

シーシュポスの岩を運ぶ者たち:『グリーン・ホーネット』

「汚職や暴力や退廃がこの街の日常になっている」 新聞社の経営者である父ジェームズは、自堕落な生活を送る息子ブリッドにそう語り、「私を見習え。私のように生きろ」と説教したあと、とつぜん死んでしまう。 ジェームズが経営していた新聞社は、息子のブ…

呪いの言葉が解除される日はくるのか?:『ソーシャル・ネットワーク』

『ソーシャル・ネットワーク』は呪いを巡る話だ。 マークはとにかく頭の回転が速い。いくつかの話題を同時に進めることができる。賢さをアピールするには最適の方法だ。 けれども、話し相手の彼女・エリカには、真剣に話しをしてくれないヘンな彼氏にしか見…

操作世界に自由はあるのか?:『アジャストメント』

自由には3つの条件があります。*1 1.自分が意図した行動結果が一致すること 2.意図が行動より先にあること 3.自分の意図以外に原因がないこと この3つの条件が満たされているとき、ぼくたちは自由だと感じます。 逆に、どれか1つでも欠けてしまうと…

「みんなのため」から「わたしのため」:『24 ファイナル・シーズン』

『24』のファイナル・シーズンを観ました。 今シーズンは脚本もしっかりしていて楽しかったです。 ひさびさに観賞していて思いを強めたのですが、主人公のジャック・バウアーってすごい割りを喰ってますよね。 アメリカの危機を何度も救っている大英雄なの…

未成年からの脱出:『冷たい熱帯魚』

目を背けたくなるほどグロテスクで、頬が赤くなるほどエロチックな映画である一方、啓蒙的なメッセージを含んだ映画でもありました。 この物語のどこに「啓蒙」が? この映画は、大量殺人事件の共犯者・社元(吹越満)の視点で描かれています。 彼は、主犯・…

「欲求のちがい」による不幸:『ブルーバレンタイン』

なぜ結婚生活がうまくいかないのか? 「愛には努力が必要だから」という意見があります*1。 しかし、努力ならしていました。 ならば、なぜ? 「欲求がちがう」からです。 夫・ディーンは「自分の心に忠実に生きるのが幸せ」であり、妻・シンディは「人に認め…

「強い物語」からの贈り物とは?:『エンジェルウォーズ』

調子にのって、今日もブログ更新しちゃいます(笑)。 先日、ザック・スナイダーの新作『エンジェルウォーズ』を観てきたので、 本日はそれをネタにしようかと。 両親がこの世を去り、残されたのは主人公ベイビードールとその妹は、養父 に襲われそうになる。…

本性を取り戻せ!:『ファンタスティックMr.FOX』

ご無沙汰してます。 今年はちょこちょこ映画や本の感想を書いていくつもりだったのですが、もう 5月に入ってしまいました。早いなぁ。 ところで(笑)、ウェス・アンダーソンの新作『ファンタスティックMr.FOX』 を観てきました。 以下、その感想。 スポーツ…

11歳にして「大人」ヒット・ガールの衝撃→『キック・アス』

2010年はよい年でした。年末にベスト2の作品に出会えたから。 主人公のデイブはヒーローに憧れる高校生です。デイブはちょくちょくカツアゲされてるような男の子で、ある日「ヒーロー映画ってたくさんあるのに、なんでヒーローっていないんだろう?みんな悪…

2010年映画ベスト10

今年もあと3時間ほどですね。 大掃除のついでに映画の整理もしておきたいと思います。 1. ヒーローショー ヒーローショー [DVD]出版社/メーカー: よしもとアール・アンド・シー発売日: 2010/11/26メディア: DVD購入: 3人 クリック: 89回この商品を含むブロ…

ゼメキスとドナーの『クリスマス・キャロル』

ちょっとまえにロバート・ゼメキスの『DESNEY'S クリスマス・キャロル』を見たんです。 これ、すんごく退屈で見てられませんでした。 導入部がヘタクソすぎるんですよ。 リチャード・ドナーの『三人のゴースト』と比較するとよくわかるんですけど、ゼメキス…

作品の見方→『ザ・メンタリスト』

『ザ・メンタリスト』という海外ドラマを見ました。 今回は「作品の見方」の話しをします。 そうです。ボク的には「なし」なドラマだったので、なぜなしだと思ったのかにつ いて書いて逃げよう作戦です。 さて。 このドラマの主人公は人の心を読み、思考と行…

幸福と苦悩→『悪人』

震えました。 とんでもなく息苦しくて切ない2時間19分でした。 が、だからこそ、映画観に通っているというもの。これは観ておいてほんとうによかっ た。 タイトルにある「悪人」とは妻夫木のことを指すように思いがちですが、ちがいます。 どう見ても妻夫木…

宗教の矛盾→『シークレット・サンシャイン』

以前映画ヲタのあいだで話題になった韓国映画『シークレッ ト・サンシャイン』をようやく鑑賞しました。 とにかく重たい映画でしたが(そのわりに、ソン・ガンホの KYキャラが可愛らしくてマル)、神の受容から否定の論理がと ても面白かったです。 主人公の…

『ハート・ロッカー』

すんごく面白かったです。 まさかここまで見れるものだとは思っていませんでした。 おそらく戦争映画である以前に、ひとりの男の成長譚だからではないかと。 以下、考えたこと・気付いたこと・気になったことのメモです。 ・自己チューで自信たっぷりな男が…