2010年映画ベスト10


 今年もあと3時間ほどですね。
 大掃除のついでに映画の整理もしておきたいと思います。


1. ヒーローショー


ヒーローショー [DVD]

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 ベスト1なのに感想文書いてない!
 簡単に言うと、「これほど現代のあれこれをうまく掬い取った作品が撮れるとは思ってもみませんでした」的傑作。
「現代」を生きるものが感じてる息の詰まりそうな「閉塞感」がそのまま描かれている。それがあまりにリアルだからフィクションだとわかっていても苦しくなる。
 いまを生きている人、必見。


 2. キック・アス
感想:http://bit.ly/eY26Hu


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 なんといっても11歳の少女の活躍に尽きる。「わずか11歳にしてすでにプロ」という圧倒的衝撃。年末年始はぜひ劇場へ。
 


 3. トイ・ストーリー


トイ・ストーリー3 [DVD]

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 おもちゃとアンディ(人間)との「別れ」を描いた作品であり、「消費社会におけるの倫理」(振る舞い方)を教えてくれた啓蒙的な作品でもある。
 ただでさえ決壊しやすい涙腺がぼろぼろにしてくれたのはアンディの別れを惜しむ顔。あの憂いをおびたアンディを観るために、まだ何度も観ることなるであろう(予言)。うっ。思い出したらまた涙腺が…。


4. 第9地区


第9地区 [DVD]

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トイ・ストーリー3』とおなじように、ラストカットが神がかってる。
 異星人に非寛容的であり差別的であった主人公ヴィカスが、エビ化することによって他者の気持ちを理解するという構成。異星人であるエビは異民の象徴。
「人の気持ちなって考えよう」というアドバイスを同化することで学ぶのは何かの皮肉か?(笑)
 ラスト。花を摘んでいるヴィカスをとらえるカメラ視線が切ない。傑作。


5. ハートロッカー
感想:http://bit.ly/dT4KLB


ハート・ロッカー [Blu-ray]

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 感想文が適当すぎるので(笑)、ちょっと補足。
 本作は「天職とは何か?」に対するアンサーを出した映画。
  天職とは、

1) それをすること自体が好きであり
2) ほかの人よりも得意で
3) 誰かの役に立つこと

 これを天職と呼ぶ(たぶん)。主人公に欠けていたものは3。それを得たから主人公は最後にあの決断をする。
 しかしなぜ3が天職と不可分なのか?それはぼくたち人間は他者の存在なしに生きがいを感じることができないからだ。


6. 悪人
感想:http://bit.ly/gduK9t


悪人 (特典DVD付2枚組) [Blu-ray]

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 観客の「心の温度管理」に問題がある作品ではある。絶好調だったテンションがラスト30分でどんどん落ちていくのは残念。ちょい冗長。というか退屈。
 が、それを含めても妻夫木と深津のドラマはすばらしい。「『絶対的な孤独感』をよくぞ描いてくれた!妻夫木も深っちゃんもグッジョブ!」と拍手喝采したい。


7.プリンセスと魔法のキス 
感想:http://bit.ly/i7URsW


プリンセスと魔法のキス [DVD]

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「欲しいもの」と「必要なもの」に補助線を引いた作品。
「欲しいもの」というのは「欲望」により、「必要なもの」は「根源的な欲求」による。
 iPhoneiPadは「欲しいもの」かもしれないけれど、持っていなくたって困りはしない。でも「他者からの承認」という「必要なもの」がないととっても困る。と
いうか生きていけない。ぼくらの生きがいは他者によって担保されているから。
「欲しいもの」ばかり追いかけ回して、「必要なもの」から目を背けてしまっている人には胸に刺さること請け合い。
「必要なもの」を手に入れた後、たまたま「欲しいもの」を手に入っちゃった、というハッピーエンドの演出もいい感じ。
 
 
8.かいじゅうたちのいるところ 


かいじゅうたちのいるところ [DVD]

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「かいじゅう」とは複数のキャラで成立している心のファクターのひとつのこと。
主人公のマックスはそんなかいじゅうをうまく扱いきれず、暴走させてしまう。
 この物語に出てくる「かいじゅう」は表象の実体化。そんな「かいじゅう」たちとのコミュニケーションのすえ、マックスはかいじゅうを知り、操縦法を学ぶ。
 小さな世界の王であったマックスが他者と触れることで王冠を脱ぐ成長ぶりには涙。
 

9.ハングオーバー 
感想:http://bit.ly/eIlMnb


ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

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「 男だけで遊ぶのって楽しいよね」
以上(笑)


10.カラフル
感想:http://bit.ly/evYXog


カラフル 【通常版】 [Blu-ray]

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 心のやっかいさを扱っている点で『かいじゅうたちのいるところ』に通じてる。
 そう。カラフルとは「心の多様性」のことだ。ゆえに、人々は傷つけあってしまう。
 原監督はその多様性を広い心で受け入れて描いてみせた。その手腕をとくとご覧あれ。
 鑑賞後、「フライドチキン」と「肉まん」が無性に食べたくなる。



 やっと書き終わりました。結局3時間ほどかかっちゃった(笑)
 大晦日にまでお付き合いいただいたみなさん、どうもありがとうございました。
 来年もどうぞよろしくお願いいたします。では、よいお年を!