求めよ、されば与えられん。

識者3人が映画をネタに雑談をしている「シネコン」を読んでいて思った。


青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!

青山真治と阿部和重と中原昌也のシネコン!


この人たちの知識量は尋常ではない。
とんでもなく教養が深い。
読んでいてそこに一番感心してしまった。


映画一つとっても、全くかなわない(←いや、あたりまえだよ)。
映画に関してだけは多少自負心があっただけに、余計に自尊心ボロボロにされた。



本書で語られていること事体はいたって映画マニアが日常会話的な口調で話しているのだけど、
語る当人等の背後にある見えない知の厚みが感じられる。
その厚みには、映画を見て「これ、何が言いたかったのかなぁ」の類を自分の中でしっかり噛み砕き、
(見ただけでは理解できないテーマなど)言語化し、思索をしてきた過程がみえる。
これには大変おそれいった。
そして、またまた自分のちっぽけさを感じさせられた。


世界にはスゴイひとが(自分が思っている以上に)まだまだ沢山いる。
このことを身を以て通説に実感させられたわけです。はい。
自分のテリトリーだけをいつもウロウロしていたは、これはなかなか体験できない。
そしてこの効用はなかなか優れている。
これによって自分を相対化できる。
ちっぽけな自意識の世界から脱出できる。


そして、「人生の楽しみなんてこんなものだよ」と自分で勝手に限界を定め、
冷笑的になっていた愚かしさに気づけ、その新しいものを目指し吸収しようとしていける。
これって楽しいですよね。新しいことを知るっていうのは。
同じところをグルグル徘徊しているのは退屈でやってられないですからね。
人生とは退屈との闘いですし。


「求めよ、されば与えられん」


この古い格言を思い出しました。
これって人生の謳歌の仕方を教えてくれているのかもしれない。
・・・って、まさかね。(笑)