読書→『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』

英語。英語。英語。
もうこの言葉が聞こえるだけでうっすら冷や汗がでるくらい苦手なもの。

(くだらない過去にお連れして申し訳ないが)っていうのも、中学時代の
「Thank you」事件にその原因がある。
早熟にして健気なだった少年は、金曜ロードショーのとある映画(タイト
ル失念)をみていて、


「ふむふむ。なるほど。英語で「ありがとう」という言葉は「テンキュー」
っていうんだね」と好奇心から学習しちゃったのがいけなかった。


で、この学習成果を学校のヤツらに見せつけたいういういしい少年らしき自
己顕示欲の暴走は必定で、柄にもなく授業で「はい」と自ら挙手して発音し
てみたら…。
まぁね。たしかにオレがバカだった。拍手喝采を期待していた己の早熟さを
恨んだよ。うん。若者特有のあやまち。でもさティーチャー、それに同級生
たちよ。ちゃんと静聴してみてくれよ。まちがいなく彼らは「テンキュー」
と発音してたぜ。まったく君たちは・・・云々、なんていう弱者の弁明を言
えるはずもなく(聞いてもらえるはずもなく)、「テンキュー」は大爆笑を
誘うことになった。


爾来、英語というものをとにかく避け続けてきたんだが、勉強の必要性に迫
られ半年程前から勉強再開しており、ついさっき『怖いくらい通じるカタカ
ナ英語の法則』なる本を読んでたら、自説「サンキューじゃなく、テンキュ
ーがただしい発音だ」について滔々と(ではなく、簡素に)述べられていて
おり、思わな所(=インテリ)から賛同を得られたことに「それみたことか、
馬鹿者どもたちめ!」と勝利の雄叫びをあげたくって仕方なかったので、こ
うしてたらたらと書いてるわけです。えぇ、みっともないことに。


さて、もうここまで恥のまき散らしたらもう何をいってもおんなじだという
ことで、ついでにいっちゃおう。
じゃ、ぼくの「テンキュー」を笑った皆さん。
準備はいいですか。
本書の51ページを開いてください。
そこんとこを熟読してみてください。どうかいてあります?

07 Thank you.
×サンキュー → ◯テンキュ
(『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』p51)


ほらね。
やはり僕の映画学習は正しかったのだ!
・・・さ、そろそろカバーしきれそうになってきたので、ねちねちした恨み
つらみの独白劇はこの辺にして、本書の概要説明に移ろうと思う。


本書はジャングリッシュ(英語圏の人々が日本人の英語力を皮肉った合成語
で「ジャパニーズ」と「イングリッシュ」から成る)での学習を続けるより
カタカナ英語に切り替えたほうが合理的なんじゃない、とアメリカ留学先で
の自前の英語がまったく通用しなかった著者の多大な実践と失敗の中から発
見した「カタカナ発音の法則」の有効性を主張するものである。

「テンキュー」の他にも、
Not at all=「ナラローウ」
Good night=「グッナイッ」
などと表現していて、過去の映画体験と照らし合わせてみると、たしかにそ
うそうとうなずける発音例が記載されている。この例が59と独学用のため
の13の法則を示している。


そもそも池谷さんによれば、中学生のころから英語学習したのでは、すでに
時遅しなのだという。言葉を覚える能力は8歳までと言われており、それ以
降は言語学習能力は急速に低下するんだとか。

 たとえば、5種類の母音「アイウエオ」を持つ日本語を聞いて育ったとし
たら、子どもは5つの音を聞き分けられるようになるでしょう。それに順応
した専門家色が脳に組み立てられるからです。しかしこうして組み立てられ
た回路は9歳以降ほとんど変化することはありません。
(中略)
 もし、あなたが「L」と「R」を聞き分けられなかったとしても、それはあ
なた自身の努力不足でも勉強不足でもありません。私を含め、中学生になっ
てから授業で英語を習い始めた人はもはや手遅れなのです。(同書 p32)


がーん。そうだったのか。
自分は関係ないのでなんてことないが、勤勉家には衝撃の事実だろう。
じゃあ、もう希望はないのか…。
というと、ありがたいことにそうでもなくて、聞き取ることは無理だけれど
も、発音は訓練次第でなんとかなるんだとか。ただ聞き取れない部分がある
ので独学では非常に難しい。そこで(比較的習得がしやすい)「カタカナ英
語でいいんじゃない」、という理路なのであります。はい。


そもそも英語を学ぶ目的はなんだろう?
学習者によって目的は多用であるのは言わずもがなだけど、英会話という点
からいえば相手にこちらの意志、想いが伝わることであって、そこが一番肝
要なポイントだろう。つまりコミュニケーションをとれること。これが目的。


となれば、カッコいいネイティブのようには話せずども、伝わりゃまぁいい
じゃないかと高い理想を簡単に捨てられる(ってか、もってない)人には魅
力的にうつると思われる本。
いま行き詰まりを感じられてる努力家の方にはウロコが落ちる話しだと思う。
ぜひ本をがばっと開いてモノは試しで発音してみていただきたい。ネイティ
ブの発音とほとんど遜色がないように聞こえるから。いや、マジで。

といっても、超シロートであり、かつ過去にあーいった経歴を持っている、
ただの怠け者のいうことなので、そこらへんを差っ引いてご参考ください。