読書→ダイオキシンは(ほぼ)無害「環境問題はなぜウソがまか

まず、こちらに眼を通していただきたい。


・リサイクル貢献のため、ゴミを分別は大切である
地球温暖化によって海水面上昇、生物の絶滅する
・ペッドボトルのリサイクルはエコである
ダイオキシンが出るから、焚き火は危険である



一読されて、どう思われただろうか。
なにをいまさらという感じだろうか。
だとしたら、『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』で示される諸説にあなたは何度も驚嘆することになるはずである。



上で述べた環境問題の常識は、じつは全てウソである!
な、なんだって。



名古屋大学教授の武田邦彦さんの著書『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』は通説をすべてひっくり返すセンセーショナルな本だった。
だって常識がすべてウソだっていうんだから。



一番驚かされたのは、ダイオキシンが人間に対して毒性を発揮することはほぼないということである。
えっ、なんだって。



ダイオキシンという化合物は、ベトナム戦争でも使われ人体に悪影響を及ぼす猛毒だと思い込んでいた。テレビで報道された「ベトちゃんドクちゃん」などの報道に象徴されるダイオキシンによる影響と症状との間にはなんら因果関係がないという。
あれは(映画でもよくつか使われる手法なのだが)、あるカットとカットをつなぎあわせることで、そこに何らかの関係があるようにイメージを植え付ける一種のトリックだったのだ。
な、なんてことだ。


事実はわれわれ人類はダイオキシンとともに長い年月ともに歩んできているという。「ダイオキシンは普通にものを燃やせば不可避的にできる」ものら
しく、よく言われるように焚き火すれば発生するもののようだ。だが、なら
ばなぜ「たて穴式住居」の中で生活し、家の中に「囲炉裏」を置いて営んで
きており、近年の例で言えば焼き鳥屋のおやじはなぜ死なないのかと著者の
武田氏は反駁する。



たしかに言われてみればそうだ。
「◯月◯日、焼き鳥屋の名物おやじがダイオキシンが原因で死亡しました」、というニュースは聞いたことがない。
そして研究結果によれば、「ダイオキシンで死んだ人はおろか、病気になった人すら日本にはいない」そうだ。


・・・、おいおい。
ダイオキシンの危険性を示す実験データが示されることがあるが、あれは「ラット」を被験者(?)として使用しており、人間ではない。そして「ラット」には毒となりうるが、「人間」にはほぼ害はないという。
つまり「ラット」には毒ってことを「人間」に応用して当てはめているってこと。
毒じゃない、そういうことである。


このダイオキシン問題に続き、ペッドボトルはリサイクルすると資源が7倍となる、ごみ分別は意味がない、京都議定書を守ってもほとんど意味ない(達成すると0.993度の上昇に留まる。それほど大した抑止力もないものなのにコストはやたらかかる。日本は2兆円だしてロシアから排出権を購入)、北極の氷が解けても水面は上昇しない(アルキメデスの原理)などリサイクルから温暖化にまでわたって言及している。


以上のように、『環境問題は〜』では何から何まで我々が常識として認識していることとは真逆のことが主張されている。
通常、このような常識を覆す主張は人の目を惹く。だから逆説を弄する輩には注意しなくてはならない。そういった意味で本書も疑念の目を向けつつ読まれる書物ではあると思う。そうでなくてはまた科学的虚偽に騙されてしまう。
しかしその視点で本書を読み、常識とされる主張に対する反論と、それを裏付けるデータを丁寧に明示しることなどから、本書の主張は妥当なのではないかと思った(情報の判断は、読者のみなさまに委ねたい。っていうか、それしかないよね)。


科学的なウソをどう見抜くのか。
科学的リテラシーを高める必要性を感じる。


環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)