欲望はどうやって生まれるのか

 なぜモテるやつは、とことんモテるのか。
ずっとぎもんだった。
 あるモノが人気がでるとなぜ爆発的に売れはじめるのか。
ずっとふしぎだった。

 しかし、やっとわかったよ。
それは「入手するのが困難だから」だ。

 ん?あたりまえのことをいうなって。
まぁ、そう焦らずにすこし話を聞いてほしい(本の入れ知恵だけど)。

人があるものを欲しがるのは、それが簡単に手にはいらないからだというのである。つま
り、人とモノの間に「距離」があるからだというのである。この「距離」は「障害」と
いってもよかろう。
 人はいつでも手に入るものには人は別に「欲望」を感じない。手にいれがたいから「欲
望」を感じるのであり、そこに『価値」が発生する。自分とモノの間に乗り越えがたい距
離があればこそ、そこに欲望が発生する条件ができあがる。むろん「距離」があればいつ
でも欲望が発生するわけではないが、それは欲望の条件になる。(『「欲望」と資本主
義』p87)


 みんながねらってるアキコちゃんと付き合える確率はほぼゼロに等しい。
美人だから、性格がいいから、という理由ももちろんある。
が、それはターゲットになるための条件であって、欲望を換気させる本質的なものではない。
そうではなく、多数から欲望されること。
 これがキーだ。
それが、アキコちゃんをカノジョにしたいという欲望をさらに促進させる。
 もう少し説明が必要だろう。
では、もう少し本からパクってみる。
 

「価値」は多くの場合、ひとりひとりがバラバラにもつのではなく、まずは、みんなに
共有されたものになるだろう。自然と、みんなが欲しがるものができてしまうのである。
なぜなら、みんなが欲しがれば容易には手にはいらないからである。容易に手にはいらな
ければ「距離」ができる。すると欲望が生まれる。そうすると、そのものはますます「価
値」を高め、ますます多くの人をひきつけてゆくだろう。その結果、それはますます容易
に手にいれにくくなる。そしてますます価値は高まる。」(同上、p88)

 ということなのだね。
この視点で世の中をみてみると、ちょっとおもしろそうだ。


「欲望」と資本主義-終りなき拡張の論理 (講談社現代新書)

「欲望」と資本主義-終りなき拡張の論理 (講談社現代新書)