『シーシュポスの神話』@カミュ

はたしてこの世界には、この世界を超える意義があるのだろうか、ぼくは知らない。
だが、そういう意義をいま僕は認識していないし、いまのところそれを認識するこ
とはぼくには不可能だということを、ぼくは知っている。自分の人間としての在り
方の外にあるひとつの意味など、ぼくにとってなんの意味があろう。ぼくの人間と
しての在り方に対応した表現でなされるものしか、ぼくは理解できぬ。ぼくの触れ
るもの、ぼくに抵抗するもの、これがぼくの理解するものだ。(p91-2)


シーシュポスの神話 (新潮文庫)

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