『はじめたばかりの浄土真宗』

『インターネット持仏堂2  はじめたばかりの浄土真宗*1』(内田樹釈徹宗本願寺出版)を読む。
面白い。


はじめたばかりの浄土真宗 (インターネット持仏堂 2)

はじめたばかりの浄土真宗 (インターネット持仏堂 2)

・宗教とは「思い通りいかない=苦」であるこの世界を、自己自身を目覚めさせて 
 いくことによって受け止めていく体系ではないでしょうか。つまり、「不条理な
 苦を引き受けていく」システム、といった一面があると思います。(p5-6)


・仏教は、あらゆるものを相対化していくある意味おそるべき体系です。(p38)


・善や悪は相対概念である。(p38)


・宗教における最大の機能は人間中心主義を相対化するところにあります。
(…)なにか特別な力を身につけ、世間を睥睨(へいげい)し運命を操作するよう
 な人間になるために宗教はあるのではありません。禅宗公案の「趙州洗鉢」
(じょうしゅうせんばつ)が示すように、今、この瞬間、自分は何を為すべきか。
 そこにしか仏教はありません。(p87-88)


・つまり、「倫理」は「どの共同体も固有のルールを持っているが、そのルールを
 他の共同体には汎通的適用することはできない」という限定そのものに担保され
 ているということです。(p117)


併せて『いきなりはじめる仏教生活』(釈徹宗、バジリコ)を読むと、より仏教への理解が深まる。


いきなりはじめる仏教生活 (木星叢書)

いきなりはじめる仏教生活 (木星叢書)

*1:浄土宗の開祖である法然(ほうねん)の弟子の親鸞(しんらん)を開祖とする浄土教の一派。仏教の宗旨のひとつ。