難解本を読む技術ってどんなの?→『難解な本を読む技術』

役立ちそうな本を見つけた。
『難解な本を読む技術』
まさに、自分が探し求めていた本である。

難解な本を読む技術 (光文社新書)

難解な本を読む技術 (光文社新書)


パラパラと適当に読んでみると、前半にノートの取り方や読み方といったノウハウ
が記されており、後半にフロイトラカンジジェクウィトゲンシュタイン、フ
ーコーにデリタといったそうそうたるメンツの本が紹介されている。
ウィトゲンシュタインラカンの本はなんどか挑戦してるんだけど、10%も理解
できてないのが現状なので、とにかく提唱されているメソッドを利用してみる。
どんなことが提案されているかというと、


・一冊の本につき1冊の読書ノートを作る。
・目次を見て、「どういう区分で区切るのか」を考える。
・章ごとに区切った場合、最初の章を読み始める前に、おおまかに「この章を10
 ページ分のメモにまとめる」ということを意識する。
・疑問を感じたら、何でもメモしておく。
・余白を空けておく。
・何度も出てくる重要な単語をメモしておく
・概念と概念の関係や理由と結論の関係は、「→」でつないでおく
・わからなさを「感じ取る」
・わからなさの理由を考える


など、ノートの取り方や精読の仕方が結構細かく記述されいる。
これはこれでなかなか参考になる。
で、早速野矢茂樹さんが書かれた『ウィトゲンシュタイン論理哲学論考』を読
む』をテキストにして、ノートに取ってみる。






実践してみて思うことは、ノートを取ることは思考の記憶装置として結構役に立つ
こと。
新しく接した情報は、既存の知識にどう位置づけたらいいか迷うため、とりあえず
保留=脳の中でさまよう孤島状態になることがしばしばで、数日後には失念してし
まうことが多い。
知識はいま自分が持っている知識と結合させないかぎり長期記憶として定着しない。
しかし、新しく仕入れた知識は、どの知識と結びつけたらいいのか分からないから、
しばしば困った事になる。
だから新しい言葉なり概念を自分の知のシステムに組み込むまえに、いったん他に
置いておくことが有効である。その置き場所として、ノートはなかなか役に立つ。
再読していると、「あ、あのことか」とひらめくことがよくあるので、のちのち有
意味な知識とし記憶に残りやすくなり、理解も深まる。
また、ノートを読み返していると、全体像を描きやすくなる。
するとその本を体系的に語り理解することができるようになる(はずである)。
これは脳にかかる負荷が大幅に軽減できるからじゃないかな。
できたら1章ごとにではなく、5ページとか3ページ、いや1ページごとに読んだ
文章を頭の中で道筋を再現する=まとめる作業をした方がいいかもしれない。