新書はお得→『だから、新書を読みなさい』

すごく上から目線の本を読んだ(書名のことね)。


だから、新書を読みなさい

だから、新書を読みなさい


新書は人文科学(哲学、歴史学、宗教学、心理学など)から社会科学(経済学、統計学
法学など)、自然科学(物理学、生物学、数学など)と非常に幅広いジャンルをカバーし
ており、価格も1冊700〜800円と単行本に比べて大変安価である。
そのほかにも、まぁいろいろとメリットがある(小さいから持ち運びがラクだとか、平易な文章で書かれているとか、入門書に最適とか)。「だから、新書を読みなさい」というわけ。


ただ、この本を読んでいて読者はひとつの疑問を抱く。
「新書を読みなさい」というならば、まずこの本を単行本としてではなく新書で出版すれ
ばよかったのではないか?というとうぜんの疑問である。
1470円と800円じゃ、約二倍違う。読者としては、安いほうがいいにきまってる。
だから、なぜ新書ではないのか、という疑問は無理からぬことである(きっぱり)。
しかし、著者はそのことにわりと自覚的だったりする。

たとえば、この本の値段は岩波文庫よりずっと高い。しかし、だからといって内容的に古
典より価値があるなんてことはないだろう。(p54)


こと本においては、質と価格の相関が弱い、つまり新書や文庫のような安価なものでも単
行本同様、十分内容が濃いものもあるということ。
岩波文庫の棚を見ればすぐにわかる。古代ギリシャの哲人たちの叡知が500円くらいで買えるんだから、それほど質と価格の相関が強いはずがない、と。
たしかにわずかな読書経験から推測すればそのような印象を受ける。本に書かれている内容(質)と価格はあまり関係がない。ならば、なおさら単行本で出版する意義がないじゃないか。


著者は、なぜこの本が新書ではなく単行本で出版したのか、その理由については述べない

「新書を読みなさい」と断言しているからには「この本も新書で出さなきゃいけない」、
といことにはならないけれど、読者がまっさきに疑問に思う点であることは指摘しておき
たい。
どんな事情があったのかは知らない。けれど、新書で出したならもっと晴れ晴れとした気持ちで読み終えることができたことはまちがいない(笑)。


本書を読了して、取り入れようと思ったことをメモしておく。


・探書リストをつくる
ボクが書店やAmazonで購入している本は8割方どこかで紹介されていた本(パッシブ)
だから、もっと積極的に情報を収集する(アクティブ)読書をしていきたい。
そんな探書(ブック)リストを、メモしてして作っていこうと思う。
いや、待てよ。
でも、それって、わざわざメモ帳に手書きする必要はないんじゃないか(この本では、
その方法が推奨されてる。直接的じゃないけど)。
メディアマーカーiPhoneを活用すればいいだけじゃないか。
メディアマーカーに購入したい本を「ウィッシュ」で登録し、書店に行ってからiPhone
で検索をかければいい。
その方がずっとラクで、継続させやすく、参照するのも「やべ、メモ帳忘れた」という
事態を防ぐことができる(参考文献:『仕事をするのにオフィスはいらない』)。
メモ帳ならいざしらず、ケータイを忘れることはないからね。


・新書三冊同時読み。
「ロングセラ」or「ベストセラー」
「最近の本」
「一番やさしい本」
これを同時に買って、カフェに篭って読み切る。
で、「ザッピングメモ」をつくる。

「ザッピングメモ」とは、マーキングした箇所などを丸写し、自分の感想を書いたメモの
こと。
ようするに、よく言われる、インプット→アウトプットのことである。
そして「ザッピングメモ」をもとに「新書ノート」にしてしまう。


「新書ノート」には、
・納得したこと
・疑問点
・論点(著者の投げ掛ける共通の問いかけ)
などをメモしておく。
アウトプットの効用は「思考が固ま」り、プラクティカルなアイデアとなって結実しやす
いからなどが考えられる。


これもメディアマーカーでやってしまった方がいいかもしれない。
ノートやルーズリーフにまとめると、結局参照するのも大変だし、概して行方不明になる
というウツなオチがつきやすいから。
あるいは、Googleドキュメントに残してもいい。
あっ。それなら、後者の方がいいかも。