概念を応用する→『地アタマを鍛える知的勉強法』


地アタマを鍛える知的勉強法 (講談社現代新書)

地アタマを鍛える知的勉強法 (講談社現代新書)


2,3年前、齋藤孝さんの本をよく読んでました。
『声に出して読みたい日本語』なんかが有名ですよね。
ぼくはそれを読んでないんですけど、まぁ、一時期流行った先生でした(いまでもビート
たけしのTVには出てますが)。
で、ひさしく斉藤先生の本を読んでなかったのですが、先日書店で『地アタマを鍛える知
的勉強法』というあるビジネス書のタイトルのパクリのような本を発見し、読んでみたら
わりかしおもしろいことが書いてあったので、今日はそのコピペを貼りつけておきたいと
思います。


★:ぼくのコメントです。

対話がないと、人の脳は眠くなるのです。
(中略)
ノローグ(一人語り)に見える教科書に対しても、常に問いを発しながら読んでいくとします。並列的に書かれている内容に対し、どんな問いを立てたらこの言葉が答えになるのか、といった具合に逆に発想してみる。その問いは、目立ように教科書に書き込んでいきます。こうして教科書と対話することで、自分の問いかけや内容が頭に残っていくのです。

★テキストにおもいっきりぶつかっていく。
自分だけが感じているかもしれない疑問を、そのテキストにぶつけてみる。
そうすると、あちらも「あいよ。わかったよ」と返答してくれる。
だから、とにかく「問い」を立てて、テキストと対話してみる。
なかなかいいこといいます。

「文章の図化」勉強法
図化する作業は、文章を構造化して捉え直すことであり、自分で図を作るプロセスで、その理解が進む。


★図の巧拙なんかこだわらずにとにかく図化する。
で、書き上げたものを線でつないだりしてリンクさせてみると、構造が把握できて理解が
すすむ、と。
文章だけではなかなか理解できない概念なんかに実感からしてこれは有効だと思います。

「概念身につけ」勉強法
勉強を生かすには、基本的に「概念」を使いこなすのがてっとり早い方法です。もし構造主義を勉強したとして、その思考法を徹底的にワザ化するには、修練する必要があります。
(中略)
優れた詩人は、常に新鮮な驚きを持って世界を見ています。凡人が、その驚きを持ち続けることは難しいですが、賢人の残した有効な概念を使って、この世の中を見ることはできます。
(中略)
ですから、理解できる、使えると思った概念は、とにかく使ってみることです。概念を使うということは、すなわち、その観点から物事を見る訓練になります。


★これはほんとに有効だと思います。
齋藤センセはミシェル・フーコーの「パノプティコン」(監視システムのこと)という概
念を使って、「教室に監視カメラをつけて自習させたら、もし別室でモニターを見ている
はずの先生が寝ちゃったとしても、フーコーの言うとおり、君たちは絶対にサボったりで
きないはずだ」といってます。
まったく、そのとおりでしょうね。
ぼくらは「監視されている」ということに意識が釘付けになってしまい、事実(ほんとに監視されているかどうか)はともかく、カンニングできなくなってしまうとおもいます。
で、このように「概念」を日常的な事柄に応用したほうがいいよ、というわけです。


ほかにも使える勉強テクニックが多数紹介されてます。
ここ数年、「ネタ切れかな?」と思われるよう類似本を量産されていたので嫌煙してきて
いたんですけど、この本読んですこし印象がかわりました。