最強のインタビュー術


注:お蔵入りしていた下書きを見つけたので、アップします。
  今年の2月頃にメモっておいたものです。


 きのうの昼頃、名インタビュアーの吉田豪さんが、あるつぶやきをRT(リツイート。気に入ったつぶやきを拡散する行為)してました。


 そのつぶやきの内容は、「(吉田豪さんが)『僕のインタビュー術』とかいう本を出したら売れるんじゃないか。それだけこの人のインタビューの間合いは絶妙。ま、秘伝だと思うんでそんな本は書かないだろうけどね。」というもの。


 ぼくは豪さんに関して知識があるわけでなく、インタビュー記事も1つか2つくらいしか読んだことのないのですが(ようするに、ほとんど知らないんです)、彼がインタビュアーとして優れていることだけは知っています。
 出版されるなら、ぜひ読んでみたい。


 でも、ちょっと待ってください。
 なんで「本人に語ってもらわなきゃいけない」んでしょうか? インタビューのコツを自力で探ることはできないんでしょうか? 
 

 そもそもインタビュー術を知ってどうするんでしょう? いったい、その知識をいつ使うんでしょ? 女の子の本音(「ぼくのこと好き?」)を聞き出すとき?


 冗談はともかく(笑)、インタビュー術とはようするに「質問術」のことですから、これは日常的に使える方法でもあります。たとえば、そう、「ぼくのこと、好き?」なんてことを上手に聞きだすときに。


 話をもどします。
 知りたいことが知りえない場合、どうしたらいいでしょう?
 答えはカンタンです。よく観察して盗めばいいんです。


 吉田豪さんがインタビューされている映像や本って、すでにありますよね。だったら、それを見ながらパクればいいだけじゃないですか。*1


 仮に、ですよ。もし豪さんがインタビュー術というものを書くとしたら、どういうものになるのでしょう?
 おそらくいままでの体験談から得たものー「これを伝えたい!」と思うもの(知見)をまじえて書かれるはずです。
 つまり、


 体験談+知見=インタビュー術本


 というコンテンツになるはずなんです。
 その「知見」はご自身の体験から得たオリジナルのものでしょうから、ぼくたちには知り得ることができません。その意味で、本を書く意義は十二分にあると言えます。


 でも、ですよ? 豪さんオリジナルの知見は、本にならない限り手に入れられないですけど(つまり本人次第)、逆にいえば、知りえないからこそ「ぼくたちにしか手に入れられない知見」というものがあると思うんです。
 これのよいところは、「私次第」で手にすることができることです。


 では、いったい何が手に入るのか?
 それは「私」というフィルターを通して観察したからこそ手に入れられる、「私だけの知見」です。それは、この世界のどこにも書かれていない、盗んだ先(吉田豪さん)すら知りえない、「私だけの知見」です。
 知らないものを知ろうとすることは、オリジナルの知見を手に入れるチャンスなんです。
 

 2月頃のぼくは、こんなことを考えていたようです。
 なかなかいいこと言うじゃん(笑)

*1:参考図書:アイデアを形にして伝える技術 (講談社現代新書) 使い方はまた、べつのエントリで!