上手な汗の流し方:『上達の技術』
モノゴトを上手になりたい人は多いですよね。
上達するのは楽しい。いままでデキなかったことがデキるようになるから。
上達の技術 一直線にうまくなるための極意 (サイエンス・アイ新書)
- 作者: 児玉光雄
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2011/04/16
- メディア: 新書
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では、上達の最強法則はなんでしょう? 反復練習。これだそうです。
わりとフツーな答えですが、なぜ反復が上達に効くのでしょうか。
何度も何度も練習することで、「質」的な変化が起こります。いわゆる「量質転化」というヤツです。
ただし、ただ繰り返せばいいというものでもありません。上達するには、練習の工夫が必要。どんな工夫でしょう?
計画し、行動し、検証する。これです。
「ちょっと早く喋りすぎたかな(行動)。みんなの理解が追いついてなかったみたいだし(検証)。次はもう少しスピードを落とすようにしよう(計画)」
喋り方を例にとれば、失敗を行動にフィードバックする「工夫」が上達のキモなのは言うまでもありません。失敗した分だけ、成功に近づけるとも言えます。ただ漫然と繰り返すだけの練習より、工夫した練習は上達に大きく貢献してくれます。
こうした反復練習によって、技術力が向上し、ラクに結果を出せるようになります。
『ドラゴンボール』に出てくるキャラたちは、かめはめ波を撃てるまで練習しました。最長は亀仙人で、50年もかかったとか。
が、一度撃てるようになってしまえば、次は息をス〜ッハ〜ッするのとおなじように、ラクに撃てるようになります。両手を前につきだして「波」。これだけです。ラクすぎだろ(笑)。
練習方法には分習法と全習法があるようです。
分習法とは全プロセスをコマ切りにして一つずつにこなしていく方法で、全習法とはいっぺんに行う練習法のこと。
自動車学校では、エンジンのかけ方、左右の確認の仕方、駐車の仕方など、一つずつ習いますよね。これが分習法。逆に、いっぺんに行う仮免が全習法。
上達するには目標も必要だそうです。そして目標には正しい立て方がある。結果目標ではなく行動目標にフォーカスして立てること。
たとえば、映画評論家のような映画評を書くという「結果目標」はあまり現実的ではありません。途中で心が折れてしまいます。
だから、本を読み、映画を見て、考え、面白い映画評を書く、といった「行動目標」にシフトする。これなら自分の努力次第で実現可能です。
結果目標は相手に左右されますが、行動目標なら自分次第でどうにでもなります。
一時期、結果目標で行動していたことがあるのですが、途中でクサってしまいました。手が届く気がまったくしなかったので(笑)。結果を目標に置いてしまうと、モチベーションを喪失しやすんですね。
ある日、それを止めてみました。かわりに「昨日の自分」と比較するようにしたら、驚くほど行動力が上がりました。なにせ相手は「昨日の自分」です。ちょっと頑張れば、超えられない相手ではありません。
昨日の自分、今日の自分、明日の自分。これならいつどんな時代であっても、変わっていく、良くなっていくという実感が得られるはずです。(『決弾』*1)
比較する相手は他人ではなく自分。
上達の心得としてはもちろん、幸せに生きるためにも、これはほんとに大事です。
*1: