勝間和代を「私」に最適化する:『高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人』


 まず、タイトルの説明から。
 高学歴の人間が成功しなくて、学歴のない人間が成功するのはなぜか?
 「答えのない問題」を解けるかどうか、その違いです。


高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人 (小学館101新書)

高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人 (小学館101新書)


 高学歴な人は、「答えのある問題」を解くのが得意です。
 が、ご存知の通り「答えのある問題」に価値があるのは学校や資格試験においてです。現実社会には「答えのない問題」ばかりがゴロゴロしていますよね。


必然的に起きた正しいこと:『127時間』

わがままな人・アーロンは、ブルージョン・キャニオンという目的地を目指している途中、岩に腕を挟まれてしまいます。岩に体当たりしたり、持ち上げたり、ナイフで削ったりしても、まったく動きません。
岩は、アーロンの自由を完全に拘束します。


 いくらお勉強ができても、こんな「答えのない問題」の前では無力です。学歴のあるなしに関係なく、本人にとっての「最適解」を導き出すしかありません。
 勝間さんはそんな「答えのない問題」を解く力のある人ーストリート・スマートとはどういう人間か?4つの切り口から紹介してくれています。


 1.習慣
 (1)ものを概念化する癖がある
 (2)切れ味のいい「オッカムのカミソリ」を持っている
 (3)頭の中に充実したデータベースがある
 (4)頭の中から引き出すきっかけを豊富に持っている
 (5)新しい方法を常に模索している
 (6)数字、特にベクトル数字に強い
 (7)リスクテイカーである

 2.スキル 
 (1)情報を鵜呑みにしない
 (2)例外処理が得意
 (3)自分の意見を持っており、人の意見に左右されない
 (4)非常識だが、生産性が高い
 (5)経験と概念を上手につなげることができる
 (6)到達点のポイントを見極め、手段を自分で見つけられる
 (7)圧倒的なメリハリとスピード感が人を魅了する

 3.視点
 (1)知的な継続した興味
 (2)クリティカル・シンキング
 (3)概念操作能力
 (4)データ収集能力
 (5)画像化能力
 (6)数値化能力
 (7)言語化能力

 4.方法
 (1)知識・教養を楽しみながら習得し続ける
 (2)「概念ボキャブラリー」を増やす
 (3)とことん、自分で見て、聞いて、考えて、動いてみる
 (4)1分あたりの情報処理量を高めるための投資を惜しまない
 (5)自然に生まれた人脈から学ぶ
 (6)ストリート・スマートな人の生活習慣を身につける
 (7)真の意味での「実直さ」「正直さ」こそが、ストリート・スマートを生む


 ぜんぶで28個あります。すごい数ですね。とても覚え切れません(笑) 当然、実行することもままなりません。す、ストリート・スマートの道がっ!


 勝間さんによれば、成果を上げるための方程式は「成果=知識×実行割合×定着率」だそうです。
 ストリート・スマートになるには、仕入れた知識は実行に移してナンボです。さらに、それを継続して定着させなければ成果が上がりません。
 成果云々はともかく、「あ、これ使えるぞ!いただき!」と思ったものも、忘れてしまっては目も当てられません。
 そこで覚えるものを28個から4個に絞ります。
 どうやって? こうやって。



 まず、覚えるものを上位概念(いわゆる「タグ」や「ラベル」のようなものです)の4つー「習慣」「スキル」「視点」「方法」に絞って記憶します。
 つぎに、それに関連づけて各7項目を覚えるようにします。
 たとえば「習慣」という概念(=箱)の中には、それに関連したものが入っています。
 あとは必要なときに、箱の中から取りだしてやればいい。

 
 「画像化」すると、このようになります。
 


 「習慣の箱」のなかには、上記した7つの関連する項目(下位概念)が入っています。
 あとはそこから「引き出し」てやればOKです。28個を1つずつ覚えるよりずっとラクに覚えることができます。


 ぶっちゃけ、これらの知識は記憶するのが目的ではなく、使うのが目的なので、プリントアウトして使うようにすればOKだと思います(笑)
 ただこのように、下位概念を上位概念で「くくる」(箱を作って、情報を入れてく)とずっと記憶しやすいはずです。


 ★ ★ ★


 今回、このエントリは本書でも紹介されている「概念化」「画像化」「数字化」「言語化」といった方法論を使って書きました。
 ただ、注意しなければいけないのは、本書で紹介されている方法論は、勝間和代「本人」に最適化されているものであるということです。「私」にはまだ最適化されていません。
 当然、どうやって使ったら良いのか分からないものもあります。ぼくは、1ー(6)「ベクトル数字をに強い」がまだよく理解できていません。
 どうすればいいの?

私は、デール・カーネギーも、スティーブン・R・コヴィーも、ナポレオン・ヒルも、ジェームズ・アレンも、大前研一さんも、神田昌典さんも、和田秀樹さんも、そのほかさまざまな自己啓発書はかなりの数を読みあさりました。そして、その中で自分なりの方法をまねしてみて、取捨選択し、自分の行動に落とすときには、最後はひとりで考えて、ひとりで工夫するしかありませんでした。(p.240)


 う〜ん、やっぱりかぁ(笑)