男やアイデアは褒めて伸ばす


 先日、ネットで商品づくりの会議をしていたのですが、そこでアイデアがたくさん出されました。
 こういった場でよく見かけるのは、アイデアを否定する人です。
『新「伸びる人」の条件』という本では、否定する行為を「アイデア殺人」という強い表現で批判しています。


アイデアマンになるためのヒント:『新「伸びる人」の条件』


 この本を読んでいたとき、「ま、オレにはまったく関係ないけどね」と思っていたのですが、録音していた会議の音源を聞いてみると、思いっきり犯罪行為におよんでいました。うぐぐ。


 音源を聞いていて反省したことは、否定のしっぱなしはダメだよなぁということです。
 アイデアを言う側は、否定されるかもしれないというリスクを背負っているわけですよね。でも否定する側には、守るものがないのでノーリスクです。どう考えても、否定する側が有利。だから否定だけするのは、フェアじゃないと思うんですよ。


 フェアネスの問題もあるんですが、もうひとつ大切だなと思ったことは、否定ばかりする人はとにかく損をするということです。否定されることを喜ぶ人はいません。むしろイラッとするはずです。とすれば、アイデアを言ってくれる人がいなくなります。アイデアの否定しっぱなしは、だから損得問題としてもよろしくないと猛省した次第です。気をつけなきゃなぁ。


 では、どうするか?
 ピコンッ!と思いついたのは、「他人の意見に自分の意見をアシストすること」です。
 アイデアをその場作るにはアイデア作成力が必要です。これはハードルがめちゃ高いですよね。何も言えないで終わるのがオチです。でも、だれかのアイデアに乗っかって伸ばしていく方法ならずいぶんハードルが下がります。案外、提案されたアイデアによって、似たような例が思いつくものなんですよね。アイデアをボツにするのは、伸ばしていったあとでも遅くないはずです。


 これって男の育て方にも言えますよね。
 男は女よりも精神的にずっと弱いですから、叩かれるとすぐに凹んでしまいます。悪くすると、再起不能かグチっぽい人になります。これはこれで女の人にとっても損な展開のはずです。
 ぼくの友人には、彼女さんに叩かれてばかりの人がいます。彼の話では「あなたって本当にダメね」と毎日叩かれるそうです。キミはなんてハードな生活を送っているんだ!とそのとき感嘆したのですが、彼がグチばかり言うのはこのためではないかなと思ってます。
 これでは男が育ちません。パフォーマンスが下がる一方です。
 ここでの戦略も褒めて伸ばすが最適解ではないでしょうか。


 お手本はこちら。

 男を狙うポイントは「才能」のひとことである。
「あなたには才能があるわ。他の人には見えなくても、私にはわかるの」
 と上目遣い四五度の視線プラス「かなぴょんポーズ」で決めれば、まず八〇%の男は落ちると断言してよろしいであろう。
 さよう。(控えめに言って)世の八〇%の男たちは自分に才能があり、かつそれが世間からは正当な評価を受けていないことにフラストレーションを抱いている。だからこそ、このひとことであっけなく籠絡される。(『ひとりでは生きられないのも芸のうち』p22-23)


 やはり基本戦略は、いい気にさせて伸ばすです。
 本当は1ミリも才能を感じていなくても、「わたしにはあなた才能がわかるの!」と褒めてあげる。そのようなプラスの外部評価を与えることがどれだけ男に自信やモチベーションを与えるか。普段のパフォーマンスより二〇〜三〇%は上がると思います。いや、ほんとに。


 というわけで、対人戦略は否定せずに伸ばす。
 結論はありきたりですが、わりと実践できていなかったりするので(笑)、iPhoneなどに会話を記録してチェックしてみるのも手だと思います。


ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)

ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)