因果律を変える:『夢をかなえるゾウ』


 自分を変えるにはどうすればいい?
 因果律を変えればいい。
 ゾウと「契約」した主人公のように。


夢をかなえるゾウ文庫版

夢をかなえるゾウ文庫版


 物語の主人公のもとには必ず使者がやってきます。
 使者とは何かを届ける者のこと。
  「魔法少女まどか☆マギカ』では「キュゥべえ」が、本作では「ガネーシャ」(ゾウ)がやってきます。


 この出会いは「縁」です。
 まどかがキュゥべえに出会ったように、本書の主人公もガネーシャと出会った(そしてこれを読んでるあなたも僕も)。
 彼らはその縁を活かして変わっていきました。
 大切なことは、縁をどうするかです。


 なぜか?
「自分のやり方であかんのやったら、人の言うこと素直に聞いて実行する以外に、何か方法あんの?」
 いいえ、ありません。


 縁を大切にできるかどうかは、相性と同じくらいプライドの問題にかかっています。
 人が変われないのは、自分のやり方に執着するから。自分>他人という関係になっているんですね。これを逆転する必要がある。自分<他人にする必要が。


 二年ほど前、本という使者がある人を紹介してくれました。
 偶然出会ったその人に縁を感じ、以後、師として仰いでいます。それからできる限りプライドをゼロに近づけ、師の教えを実践してきました。すると、面白いように自分が変わっていきました。


 いままでと同じことをしている限り、同じ結果が待っています。
 そこで、黙って「靴をみがく」必要があります。
 これは始めの試練。行為自体の意味ではなく、実行できるかどうかが問われています。


 ぼくたちは本当に運がいいです。
 まどかの「契約」には多大な自己犠牲が伴いましたが、ぼくたちはわずかな対価(プライド)を支払うだけで済みます。



 これほどローリスク・ハイリターンな話はそうそうありません。


 ガネーシャの教えは以下(一部のみ)。


・靴をみがく
・コンビニでお釣りを募金する
・腹八分目に抑える
・人が欲しがってるものを先読みする
・会った人を笑わせる
・一日何かをやめてみる
・決めたことを続ける環境を作る
・自分が得意なことを人に聞く
・応募する


 「なる」ためには「する」必要があります。
 もしこの使者と「縁」があったなら、「契約」してしまったほうがいい。
 それが因果律を変えるということだから。