意志決定モデルをつくろう:『自分のアタマで考えよう』その2
ちきりんさんの新刊『自分のアタマで考えよう』を読み終えました。どれも身につけたい技法ばかりの良書だったので、連続してエントリを上げていこうと思います。
今日は「意思決定モデル」の作り方について。
- 作者: ちきりん,良知高行
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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意思決定モデルを作ろう
買い物をするとき、ぼくたちはたくさんの商品の中から「これにする!」と選択しますよね。
そのときの判断基準ってどこにあるんでしょう?
「この素材のシャツで4980円は高すぎる」「このデザインのカットソーで2980円は安い」みたいな判断を自然に行えるのは、仮説と実験の結果です。いままで何度も繰り返してきたから、価格の高い・安いという判断が行えるんですよね。
このように、自分のなかには意志決定のための判断基準があると、買う/買わないを仕分けることが可能になります。
昨日、リアルに買い物してきたので、そのプロセスを書いてみようと思います。
まず、買い物に行く前に、思考と調査をしました。
Q1. どんな情報が欲しいのか→A. いま持っているジャケットに合うインナーが3、4枚欲しい(シャツとカットソーとカーディガン)。
Q2. 入手した情報からどんなことが言えるのか?→A. 新しい組み合わせができる。
「新しい組み合わせ」を作ること。これを買い物のゴールとして設定しました。
さっそくジャスコのなかに入っている洋服専門店のホームページに行き、洋服をあれこれ探してみました。
チェックした項目は、価格と色とデザインの3つです。
その結果、明るめのカーディガンと暗めのボーダー・カットソーの2つが見つかりました。どちらも今もっているジャケットに合いそうだったことと、新しい組み合わせが作れそうでした。シャツは適当なものが見つからなかったのですが、相場が3000〜5000円と予算以内ということがわかったので、ま、こんなもんでしょ、という感じで現地へ向かってみることにしました。
お店に着いてみると、ちょうどタイムセールが行われていて、シャツとやカーディガンが販売価格の20%offで売られていました。
ただ、リアルでモノを見てみると、カーディガンの素材感や色味がパソコン見てイメージしていました。少し迷ったのですが、その場でさっと考えて購入することにしました。
その後、ボーダーのカットソーも予定通り発見→購入し、買い物終了となりました。
所用時間は30分くらいだったかな?
必要・不必要の仕分けをして、欲しいものを明確にする
洋服の買い物に限らず、モノを買うときに大切なのは、事前の洗い出し作業です。何が必要で、何が必要ではないのか。これをハッキリさせないで買い物しに行くと、必要のないものを買ってしまうことがあります。
ときどき友人のMくんやKくんから「買いもの付き合って!」と頼まれることがあります。彼らはあまり買い物慣れしていないので、上の仕分け作業を行いません。いきなりお店に行って「いいな!」と思ったものを買ってしまいます。
でもそれはお金がたっぷりある人の買い物の仕方です。お金のあまりない人には1万円とか2万円という予算があるので、そのなかで買い物しなければいけません。
また、ファッションは色やデザインの組み合わせなので、最大の効果を上げるには持っている洋服を生かす買い物の仕方が合理的です。MくんやKくんと買い物に行くとき、真っ先に行うことは朝マックで必要・不必要なものの仕分け作業です。そうして入手すべきアイテムを明らかにしてから、現地へ向かうようにしています。
こうした「考え」る作業は、料理を作るときなんかでも一緒ですよね。
「考えること」「思考」とは、インプットである情報をアウトプットである結論に変換するプロセスを指します(図4)。「私は考えた」というのは、「私はあるインプットをもとに、なんらかの結論を出した。ある考えに至った」という意味です。それは「仮の結論」でもいいし、最初の段階では間違ったものかもしれません。それでも「その時点での結論を出した」というのが、「考えた」ということです。(p34)
実際に行ってみると意外な展開になったりますが、それはそのとき考えればいいことです。「仮の結論」を持っていっていれば、価格のような判断基準として機能してくれるので買い物しやすいです。
どんなに稚拙でもいいから「私はこう考えた」という結論を出していく。
これが買い物に限らず、物事を意志決定するときの要諦ではないかと思います。