『人生2割がちょうどいい』

師匠が本を上梓されていた。
『人生は2割がちょうどいい』
ん。
なんで2割がイイんだろう?
理由はわからない。
とにかく著者名だけで購入決定。
レジにもって行って清算し、書店の中に入ってるカフェに入って拝読する。
やはり言う事為す事、おもしろい。


(注:本書は対談本。
   高校時代からの旧友岡泰道さんとぼくが私淑している小田嶋隆さんとの。
   で、そのお二人にナビゲーターの方が質問するという鼎談形式になっている。)


ー陰気な青春をどう過ごせばいいですか?

小田嶋 子供が大人になる訳だから、青春はトンネル。 
    サナギが楽な期間であろうはずがない。
    それゆえ過ごし方にもコツはない。我慢と気晴らし。
    逸脱と逃避。一寸刻みにダマしながら、なんとか30歳まで粘る。

もう一つ。
小田嶋さんが、スキーバスの中で見たへんてこな女性が、実は芸大に通っていると
知ったら見方が変わったという話↓。

岡   だからブランドには弱いよね、俺たちは。青春時代にあんなに本を読んだ  
    のに、何てこった。
    論理なんかでは、全くない。

小田嶋 弱い。恋愛というステージではブランドに勝てないよ。我々は人間に惚れ
    ているわけではなくて、ブランドにほれているわけだから。


ちょっと長くなりつつある。
しかし、最後のあとがきで書かれていることは海馬にしっかり記憶しておいてもら
いたいほどたいせつなことなので、長文だがそのまま引用しておく。

岡は2割ぐらい。見てれば分かる。大真面目な顔をしつつ、いつもアタマのどこか
で別のことを考えている。あの集中力の無さは、やはり一種の才能なのであろう。
私自身は、本当のことを言うと、いつも10割。全力でがんばっている。別の言葉
で言えば必死。もう、背中にイヤな汗を書いています。ただ続かないのだね。びっ
くりするほど。一晩徹夜すると丸三日は使い物にならない。というわけで、トータ
ルでは2割。いい勝負だ。で、ここから先は憶測なのだが、頑張り屋を自認してい
る皆さんも、最終的に一生涯通算で稼働時間を計算すると、帳尻は2割ぐらいに落
ち着くんではなかろうか。病気をしたり、ゴタゴタにまきこまれた り、空回りした
り、堂々巡りしたりで。ということはつまり、2割というのは、到達目標や心構え
ではなくて、これは宿命なのだと思う。人間の生産性についての。人生2割。二度
はない。*1仮にもう一度生まれるのだとしても、お前はお前だと思うぞ。煩悩の性質
からして。

覚えておきたい言葉である。


人生2割がちょうどいい

人生2割がちょうどいい

*1:対談相手の岡さんが小田嶋さんにした「人は二度人生を生きれると思う?」という質問への返答