iPhone4S買いました


 ソフトバンクが気前のいい徳政令キャンペーンを開始してくれたので、いままで使っていたiPhone3GSから4Sに機種変しました。


ソフトバンク「実質無償機種変更キャンペーン」


 iOS5にアップデートされ、ICloudサービスも開始されたこともあり、すごく使いやすくなりました。
 以下、ざっくりと書き出してみます。


・写真アプリの動きが爆速化。1秒後にはシャッターを押せる(iPhone4S効果)
Retinaディスプレーの美しさに惚れ惚れ(同上)
・辞書が標準装備されたので簡単に引けるようになった(iOS5効果)
MaciPhoneをUSB接続する必要がなくなった(iCloud効果)
・撮影した写真をMacに自動保存してくれるようになった(同上)
・各デバイス(Mac-iPhone-iPad)の同期もラクラク(同上)  
・白かわいいェ


 特筆したいのはカメラの起動速度です。ほんとに爆速です。1秒後にはシャッターが押せます。
 iPhone3GS時代では、シャッターチャンスを見つけても、「どうせ間に合わないし・・」と戦う前に負けることが多くありました。これはぼくの心が人一倍弱いという問題だけではなくて、iPhone3GSの限界でもありました。ホームボタンを押して、ロック解除して、カメラのアプリをタッチして、ようやくシャッターを切れるようになります。10秒はかかってたんじゃないかな。そりゃ勝負にも負けるわ。
 が、それもいまや昔の話。1秒後には戦闘モードに入れるiPhone4Sに機種変したことで、かんたんに勝者になれました。素晴らしい!
 「ハッ!」と思ったものを「カシャッ!」するなんて、余裕です。


 たとえばこれ。



iPhone4Sで撮影)


 とつぜん「ハッ!」がやってきたので「カシャッ!」しました。
 この気軽さ、俊敏さ。最強じゃない?


 カメラの個人史を紐解いてみると、まず使い捨てカメラの時代がありました。あれって意外とコストがかかりましたよね。1台千円ほどしたし、現像代も同じくらいかかったように記憶してます。撮影可能な枚数も20〜30枚じゃなかったかな。


 次にガラケー時代。写メールが登場したのは2000年の11月だそうです*1。もう10年も前ですか、そうですか。
 この頃から気軽に写真を撮るようになりました。しかしリア充な写真が一枚も残っていないのはなぜでしょう。不思議です。


 さらにデジカメ時代。
 これはガラケー時代とカブってますし、現在にまで続いてますよね。
 ただ、デジカメは写真を撮るだけの機械なので、持ち歩くのは特別なイベントがあるときだけでした。日常ではガラケーが主力でしたね。
 なんかあんまり使わなかったなぁ。
 

 そしてスマートフォン時代。
 iPhoneにしてから大きく変わりました。
 まず写真を現像しなくなりなりました。iPhoneで撮影したものはすべてMacのなかに入れておき、iPhotoという写真アプリで見るだけで充分になりました。現像するのは、人にプレゼントしたりするときだけ。それもいまではDropboxのようなクラウドサービスを利用すれば渡せてしまう時代になりましたから、現像なんて1年に1回するかどうかです。
 写真をたくさん撮るようになったのもiPhoneを使い始めてからです。現像するコスト意識がまったくなくなったので、シャッターを押す気軽さにつながったのかもしれません。おかげで自宅のMacには数千枚の写真が入っています。いいのか悪いのか、よく分かんないですが・・・。


 今回、iPhone3GSから4Sにしたことで、カメラの画質も300万画素から800万画素に大幅に向上しました。上で挙げたように、たくさんの機能も追加されました。
 が、撮りたい!と思ったときに絶対取り逃さないという気軽さと素早さ。いまはここに「iPhone4S、最強だな」という印象を抱いています。
 ほんとオススメ。

男やアイデアは褒めて伸ばす


 先日、ネットで商品づくりの会議をしていたのですが、そこでアイデアがたくさん出されました。
 こういった場でよく見かけるのは、アイデアを否定する人です。
『新「伸びる人」の条件』という本では、否定する行為を「アイデア殺人」という強い表現で批判しています。


アイデアマンになるためのヒント:『新「伸びる人」の条件』


 この本を読んでいたとき、「ま、オレにはまったく関係ないけどね」と思っていたのですが、録音していた会議の音源を聞いてみると、思いっきり犯罪行為におよんでいました。うぐぐ。


 音源を聞いていて反省したことは、否定のしっぱなしはダメだよなぁということです。
 アイデアを言う側は、否定されるかもしれないというリスクを背負っているわけですよね。でも否定する側には、守るものがないのでノーリスクです。どう考えても、否定する側が有利。だから否定だけするのは、フェアじゃないと思うんですよ。


 フェアネスの問題もあるんですが、もうひとつ大切だなと思ったことは、否定ばかりする人はとにかく損をするということです。否定されることを喜ぶ人はいません。むしろイラッとするはずです。とすれば、アイデアを言ってくれる人がいなくなります。アイデアの否定しっぱなしは、だから損得問題としてもよろしくないと猛省した次第です。気をつけなきゃなぁ。


 では、どうするか?
 ピコンッ!と思いついたのは、「他人の意見に自分の意見をアシストすること」です。
 アイデアをその場作るにはアイデア作成力が必要です。これはハードルがめちゃ高いですよね。何も言えないで終わるのがオチです。でも、だれかのアイデアに乗っかって伸ばしていく方法ならずいぶんハードルが下がります。案外、提案されたアイデアによって、似たような例が思いつくものなんですよね。アイデアをボツにするのは、伸ばしていったあとでも遅くないはずです。


 これって男の育て方にも言えますよね。
 男は女よりも精神的にずっと弱いですから、叩かれるとすぐに凹んでしまいます。悪くすると、再起不能かグチっぽい人になります。これはこれで女の人にとっても損な展開のはずです。
 ぼくの友人には、彼女さんに叩かれてばかりの人がいます。彼の話では「あなたって本当にダメね」と毎日叩かれるそうです。キミはなんてハードな生活を送っているんだ!とそのとき感嘆したのですが、彼がグチばかり言うのはこのためではないかなと思ってます。
 これでは男が育ちません。パフォーマンスが下がる一方です。
 ここでの戦略も褒めて伸ばすが最適解ではないでしょうか。


 お手本はこちら。

 男を狙うポイントは「才能」のひとことである。
「あなたには才能があるわ。他の人には見えなくても、私にはわかるの」
 と上目遣い四五度の視線プラス「かなぴょんポーズ」で決めれば、まず八〇%の男は落ちると断言してよろしいであろう。
 さよう。(控えめに言って)世の八〇%の男たちは自分に才能があり、かつそれが世間からは正当な評価を受けていないことにフラストレーションを抱いている。だからこそ、このひとことであっけなく籠絡される。(『ひとりでは生きられないのも芸のうち』p22-23)


 やはり基本戦略は、いい気にさせて伸ばすです。
 本当は1ミリも才能を感じていなくても、「わたしにはあなた才能がわかるの!」と褒めてあげる。そのようなプラスの外部評価を与えることがどれだけ男に自信やモチベーションを与えるか。普段のパフォーマンスより二〇〜三〇%は上がると思います。いや、ほんとに。


 というわけで、対人戦略は否定せずに伸ばす。
 結論はありきたりですが、わりと実践できていなかったりするので(笑)、iPhoneなどに会話を記録してチェックしてみるのも手だと思います。


ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)

ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)

正直こそ最強の戦略:『ネット評判社会』


 いまネットでは評判社会が到来しています。
 評判社会というのは、他者からの評価が見える化されている社会のことです。
 Amazonマーケットプレイス(中古本市場)なんかが好例ですね。


ネット評判社会 (NTT出版ライブラリーレゾナント057)

ネット評判社会 (NTT出版ライブラリーレゾナント057)


 Amazonマーケットプレイスでは、売り手のサービス(商品含む)を買った人が1〜5段階で評価をします。その評価(満足度)は、0〜100%で示されます。評価表には取引した回数も書かれているので、それを参考にして注文します。
 覗いてみるとわかりますが、満足度95%を誇る売り手がゴロゴロしてます。おかげさまで、わりと安心して注文することができています。


 で、毎月5回ほど利用するヘビーユーザー(笑)の立場からいうと、売り手を評価するポイントは、1. コメント欄に書かれているものと届いた商品との整合性(どれだけ一致してる?)、2. 発送スピード(どれだけ速く発送してくれた?)、3. 包装の品質(雨除けのためビニールに入っているか?)になります。
 なかでも、1.の整合性が大切ですね。コメント欄に書かれている商品の状態と、手元に届いた商品の状態がどのていど一致しているか。 これにズレがあると、しばらく苛立ちがおさまりません(ワナワナ)。あらかじめ、コメント欄に「この本は汚れありです」だとか「線が引かれてます」と正直な申告があれば、多少汚くてもぜんぜん腹は立たないんだけどなぁ。


 よい売り手というのは、コメント欄と商品の状態が一致している人、つまり正直な人になります。正直な人と取引できたら、次も安心できそうだから利用しようと思いますしね。
 当然ですが、正直じゃない売り手は評価されません。だから彼らはウソをついて短期的に儲けるか、あるいは、ウソをつかない正直者になるか、どちらかの戦略を採ることになります。
 Amazonのような再チャレンジが可能な市場では、前者のウソつき戦略も可能です。新たにアカウントをつくれば何度でも別人として参加することができます。それまでの評価をリセットできるから、まっさらな新品状態になれます。桃鉄の徳政令(借金チャラ)が出されたみたいなもんですね。
 が、客もバカではありません。
 まっさらな状態ということは、他者からの評価がまったくないことを示しています。つまり信用できるかどうか、未知数なわけですよね。正直者かウソつきか、判断する材料が一切ない。ならばすでに信用できると評価されている人から買おうというのが人情というものです。


 以上のような再スタート可能な市場では、だれもが固定のIDで評価を高めようとします。評価を高めることが、買い手からの信頼を得ることであり、取引回数を増やすことになるからです。
 評価をリセットすることは、だからあまり得策ではありません。ゼロから評価を貯めていかなければいけないし、なにより買い手から信頼されないから。
 つまり、再スタート可能市場では、ウソというものが淘汰される方向へ進みます。ウソをつくことで短期的利益を得ることはできても、取引回数を増やすという長期的利益を得ることができないので。
 ウソつき戦略は損なんですね。Amazonマーケットプレイスで高評価を得ている売り手がゴロゴロしているのは、正直であることがトクだからではないかと思います。


 というわけで、結論。
 ネット社会での最強の戦略は正直であること。
 これがネットという評価社会でトクするための論理的帰結です。
 

終わらせるのは誰だ:『エンドレス』


 意見はいつだって批判される運命にあります。
 何か発言すれば、後から賛否または相対化する意見が出てくる。
 ツイッターYouTubeのあるネット社会の現代では、本当にたくさんの意見が林立する時代になりました。


『エンドレス』/サカナクション

 誰かを笑うの後ろにもそれを笑う人
 それをまた笑う人
 と悲しむ人


「後ろ」の人に笑われることに終わりはありません。批判されることから誰も逃れられない。
 そんな世界をいると「耳を塞」ぎたくなります。

 AH 耳を塞いでいる僕がいる それなのになぜか声がする
 見えない夜に色をつける デジャブしてるな


 でも、声は消えてくれない。「本当にそれでいいの?」という声が聞こえる気がする。
 なんとかその声をやりすごそうとする。でも、どうしても頭から離れない。
 発言すれば後ろからくる人に叩かれる。黙っていれば、傷つくことはない。だから、黙っていよう。


 「でも、本当にそれでいいの?」

 後ろから僕は何て言おう? 後ろから僕は何て言われよう?
 見えない世界に色をつける声は誰だ


 問題は、だれがやるかだ。キミか、アナタか。
 僕、だ。

 AH この指で僕は僕を差す その度にきっと足がすくむ
 見えない世界に色をつける声は僕だ


「エンドレス」が感動を誘うのは、足がすくみながらも「僕」が色をつけるという勇気ある決断と、そこに至るまでの葛藤をみごとに音で表現してくれているから。
 声を出そうとして、心臓がドクンドクンと鳴る。その音はどんどんどんどん速くなる。色をつける決断をした後でも静まらない。いつまでも僕の胸を打ち続ける。
 だからこそ、ヴォーカル・山口氏の「僕だ」と力強い宣言が胸に響く。


 エンドレスの世界に終わりはありません。勇気ある「僕」の声も、いずれどこかのカテゴリーに回収され、相対化され、批判されてしまう。
 さんざん迷った末の決断も、あまり意味が無いのかもしれない。
 だからといって、耳を塞いだままでいいんだろうか? 
 たとえどこかに回収され、相対化され、批判されてしまうとしても、「僕はこう考える」と声を出して世界に色をつける。そうして責任を取ることでしか、個人的な問題としてのエンドレスを終わらせる方法はない。


“この時代に音楽をつくって生きていたという証拠”サカナクション山口一郎氏インタビュー

山口 音楽を発信している立場として、人間として自分はどうなのかがすごく重要になってくるんです。そこを見られるし、さらけだすから。だからこそ、磨かなくてはと思います。僕は音楽しか好きじゃないし、それしか興味がない人間として生きてきたから、せめて音楽の中だけでは健全に戦っていきたいんです。
   日常では自分で自分を指さすことはないけど、音楽の中ではきちんと指させるようになりたい。ならば自分が思ったことをそのまま歌にするしかない。そういう想いがこの『エンドレス』には入っています。


アイデアマンになるためのヒント:『新「伸びる人」の条件』


 これからの時代、必要とされる力は5つあるそうです。


5つの力

  • 仕事力(個人のブランド力)
  • 人間力(信頼できる人)
  • まとめ力(場を回す人)
  • コンテンツ力(アイデア力、ネタ力、企画力)
  • 脳力(脳のポテンシャルを最大に)


 どれも「あったらいいんだろうな」と思うものばかり。この5つの力を伸ばせば、需要は確実に増えそうです。
 でも、それはそれ。
 ぼくが気になったのは、アイデアマンになるためのヒント。これが実にたくさんあって、使えるものばかり。

イデアは別の場所で掘ること


 たとえば、レストランのアイデアを考えるときに、グルメ雑誌を買うのはNGです。
 レストランとグルメ雑誌の「あいだ」はすごく近いから。これでは隣近所レベル。
 アイデアとは組み合わせのことです。だから、両者はなるべくかけ離れているほうがいい。「美術雑誌を見ながら、レストランのアイデアを考える」くらいでいいんじゃないかな。レストラン×自分×美術雑誌で、レッツトライ!

必ず新しい道を通る


 いつもおなじ道を通っていては、発見などそうそうありません。「よく見る」ことで発見は可能かもしれませんが、幅の広が方にはやはり限界があります。そこで、いままで通ったことのない新しい道を歩いてみる。これだけでずいぶん変わります。
 いままで入ったことのないお店に入ってみたりするのもアリです。デパート売り場を1階から最上階までぐるっと回ってみる。いろんな発見があって楽しいと思います。
 ポイントは、いままでよく行っていたところ「以外」の場所に行くこと。

しりとりで常識から抜け出す


 筋道が立った思考は、頭がよい証拠です。が、それでは常識的な考えから抜け出すことはできません。思考の飛躍が少ないから。
 では、飛躍するにはどうすればいい? しりとり(連想)をすればいいんです。
 

「遊園地→地球→世界の国→遊園地を世界バージョンにしたら?」
「遊園地→嘘つき→嘘つき遊園地→ダウト遊園地→いろんな間違い探しをしたら?」


 遊園地のなかで間違い探しをするというアイデアは、論理的思考力ではキツいです。というか、ムリ。とても思いつきません。
 常識から抜け出すには、しりとり。覚えておくだけでなく、ぜひ実践したいところです。

他人のアイデアをパクる


 一生枯れないアイデアの量産法だそうです。
 方法は以下。


1. 紙を3枚用意する。1枚目に、過去大ヒットを飛ばした企画をひとつ書き出す。作品名、アイデア、商品、サービスなど。


2. 2枚目の紙に、その企画がなぜヒットしたのか、理由(要因)をできるだけたくさん書き出す。
  AKB48なら、「潜在的なブームがあった」「時代の需要に即していた」「ドキドキとワクワクがあった」など。


3. ここで2枚目の紙だけを残し、1枚目の紙を捨てる。そして一晩寝かせる。


4. 一晩寝かせた2枚目の紙を見ながら、3枚目の紙に2.の条件を満たす企画を書き出していく。
  このときの注意点は、パクり元の企画を忘れること。2枚目に書き出した、ヒット要因を満たす企画を考えることだけに集中する。

イデアを否定しない

 
 ところで、アイデアをつくる上で、一番大切なことは何でしょう?
 アイデアを否定しないことです。

 そもそもアイデアには、なんの欠点もない100点満点のスタートなんてないのです。だってこれから何かになろうとしている小さな発想の芽なんですから。欠点だらけでOK、完璧じゃなくて当たり前、その問題点だらけの中に潜む「小さな輝き」をどこまで高められるかが勝負なのです。(p.103)


 頭のいい人は、アイデアの芽を摘んでしまいがちです。でも、それではいつまでもアイデアは育たない。
 たとえ他の人がアイデアを否定してきても、生みの親である自分だけは否定しない。味方になってあげる。そのくらいのスタンスでちょうどではないかと思います。

 ゴーストバスターがやってきた:『モテキ』


 映画版『モテキ』観てきました。
 今回も傷ついたなぁ(笑)



 『モテキ』の面白さは、作者・久保ミツロウさんによるゴーストバスターとしての仕事ぶりにあります。
 主人公の藤本幸世のもとには、かわいい女の子たちが次々と寄ってくる。で、打てば響く太鼓のように、彼女たちのリアクションはいい。でも、と長年モテなかった男の頭には、疑念がわきます。
「こんな甘い展開が続くわけないよな。だってオレ、ほかの男より全然スペック低いし・・・」
 モテててはいても、心は劣等感や猜疑心でいっぱい。ここに幸世の本音が詰まっています。そして、ここにこそ共感してしまう。
 そもそも、これに共感しちゃうのは、多かれ少なかれ「私」が幸世を含んでいるからですよね。


 では、幸世の私はどこにいるのか?
 幸世と女の子との「あいだ」です。


『評価経済社会』

 ギルバート・ライルは、「我々は機械(身体)の中に住む幽霊(心)なのだ」と言った。
 しかし機械とは身体ではない。「周囲という環境」「ネットという環境」の二つに挟まれた、私たちの髄脳。これら二つの環境と一つの肉体の"合間"に発生した「幽霊」が私たちの心だ。(p.282)


 ぼくたちは、自分のなかに「私という自己」というものが存在すると思っています。でも本当はそうじゃない。他人や環境、そういったものとの関係性にこそ「私という自己」は存在しています。
 本作で言えば、女の子と幸世の関係性。そこに幸世の幽霊(ゴースト)である私が存在する。そしてそのゴーストは「読者である私」を含んでいる。



 久保さんは、ゴーストである私(観客・読者を含む)をピンポイントで襲ってきます。
 それが、これ。




(『モテキ』2巻, p.24-25)


 ちょ、久保センセイ! どんだけ優秀なゴーストバスターを送り込んでくるんですか! そりゃ、ゴーストも死ぬわ。 
 マンガ版『モテキ』には、こうした「私」の甘い認識をバキバキにするシーンが何度もあります。何度死んだことか・・・。
 それは映画版もおなじ。

「私、幸世くんじゃ成長できない」 


 ・・・ガハッorz 


 でも。
 これがあるからいいんですよね。


『いますぐ書け、の文章法』

「文章を書くのは、人を変えるためである」
 ちょっとえらそうだけれども、でもこれが文章の根本だとおもう。
 サービスという立場から言えばこうなる。
「お客さんの時間をいただいて自分の書いたものを読んでもらうのだから、読んだあと、読む前と何かが変わったと思っていただかなければいけない」(p.52-53)


 これは文章にかぎりません。映画やマンガや小説でも同じことです。私のゴーストが一度死ぬことで、世界への認識はバージョン2.0にアップする。恋愛でいえば、女性に対する認識が修正される。私の認識はそうして成長していく。
 作品を体験することの意義は、ここにこそあるのではないかと思います。


 ご存じの通り、それぞれのジャンルに非常に優秀なゴーストバスターが存在します。『モテキ』は、恋愛ジャンルのなかでもトップクラスの超優秀なゴーストバスターです。確実に死ねます。
 死ぬのは何も読者や観客だけではありません。被害者である幸世も、もちろん同時に死にます。だからこそ、彼は失敗した仕事をプロの仕事として完結するができた。男として成長することができた。それは死ぬ前の幸世では成しえなかったことことです。


 でも、死ぬのって痛いんでしょ? もちろん、痛い。でもゴーストの死はムダにはならない。人は私の成長をちゃんと見ていてくれるから。
 『モテキ』のオチは、だからあれで正しい。


 ゴーストをバージョンアップさせたい方は、ぜひ(笑)


モテキ (1) (イブニングKC)

モテキ (1) (イブニングKC)

ネットショッピングのハードルを破壊した無料返品サービス


 「必要なものを全部入れられるバッグがほしい!」


 ギラついた欲望をついに抑えられなくなったので、ネットで探してみることにしました。
 バッグに入れたいものは、



 あと、MacBookAirも!
 リストアップが終わったところで、さっそく検索開始です。


 1時間ほどネットをうろついたところ、ZOZOTOWNというショッピングサイトを見つけました。
 ここ、よいサイトですね。だって7日以内なら、返品が可能なんですよ!


 ネットショッピングの最大の問題点は、手に取ることができないことです。
 リアル店舗なら、見た目、大きさ、価格などを見て、総合的に判断を下すことができます。ネットでは商品画像と数字でしか判断材料がありません。だから価格の高いものほど、ポチる難易度が高くなります。1、2万も出して、使えないバッグが届いた日には、泣くに泣けません。
 返品制度は、そんな消費者側のリスクをなくしてしまいました。
 販売側(ZOZOTOWN)が消費者(ぼく)のリスクを肩代わりしてくれたから。
 おそらく購買を促進させる戦略なのだと思いますが、いずれにしてもありがたいことです。
 これで気軽にポチれるよ!
 

 さっそくZOZOTOWNでアカウントを作成し、気に入ったバッグを注文しました。
 その後も買い物熱がなかなか冷めず、引き続き注文したバッグの情報を検索していると、Amazonでもおなじものが販売されていることに気づきました。
 こちらは返品可能日数は30日。さらに10%オフで。
 ま、マヂですか?>Amazonさん



 はい、バッグが届きました。
 見た目は、Amazonの画像とあまり変わりません。



 第一印象は、可愛いけど小さい。試しにMacBookAirを入れてみると、全然入りません。B5ノートもダメ。うわぁ・・・。
 「これじゃ使えない」と思い、すぐに返品処理を済ませたのですが、なんだかバッグが可愛らしくてなりません。可愛らしい目でこちらをチラ見してきます。
 わ、わかったよ! (返品を)キャンセルすればいいんだろ! ということで、結局ウチで引き取ることにしました。可愛いは正義だなぁ。

 

 
 
 ネットショッピングの最大の問題を解消してしまったZOZOTOWNAmazon(後者は、一部商品のみ)。
 この無料返品制度は、アメリカの「ザッポス」という靴屋さんが初められたそうです。ZOZOTOWNらは後続者なのですね。


顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか


 この先の「無料ビジネス」に注目ですね。