孤独と仲間と花言葉:『サマーウォーズ』と『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』

※おもいっきりネタバレしてます。ご注意ください。 夏の定番映画『サマーウォーズ』を観ました。 やはり傑作ですね。もう10回は観ているはずなのに、どうしても涙腺が揺るんでしまいます。ううぅ。 観ていて気づいたのが、細田守監督の「仲間」や「孤独」…

物語内・外の整合性:『チャーリー・シーンのミスター・グッド・アドバイス』

原題は『Good Advice』。 このタイトルを知って、ハードルを上げてるなぁ、という印象を受けました。 なぜなら「アドバイス力」が問われる映画だから。 チャーリー・シーンのMr.Good Advice [DVD]出版社/メーカー: フルメディア発売日: 2007/12/21メディア: …

因果律を変える:『夢をかなえるゾウ』

自分を変えるにはどうすればいい? 因果律を変えればいい。 ゾウと「契約」した主人公のように。 夢をかなえるゾウ文庫版作者: 水野敬也出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2011/05/20メディア: 文庫購入: 15人 クリック: 44回この商品を含むブログ (41件) を…

性の歴史:『セックスメディア30年史』

特殊から一般へ。 アダルトグッズであるTENGA(テンガ)が「一般化」されたことは、テレビで芸人が絶賛していたことに現れています。いまではAmazonにも置いてありますからね。 セックスメディア30年史欲望の革命児たち (ちくま新書)作者: 荻上チキ出版社/メ…

欧米式リーディング法:『外国語で発想するための日本語レッスン』

正直タイトルに偽りありです(笑)。これは語学の本ではありません。 むしろ欧米式リーディング(クリティカルリーディング)法についての本といったほうが正確です。 どういうことか? 外国語で発想するための日本語レッスン作者: 三森ゆりか出版社/メーカー:…

生き延びるための物語:『世界の電波男』

なぜぼくたちは物語を求めているのか。 それは「願望充足の予感」を与えてくれるから。 世界の電波男 ― 喪男の文学史作者: 本田透出版社/メーカー: 三才ブックス発売日: 2008/04/24メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 119回この商品を含むブログ (51件) を…

科学者としてのハリーポッター

ハリポタ世界における魔法は科学そのものです。 科学とは「誰がやっても同じ結果が得られるもの」です。ただしい手順さえ踏めば、誰でも魔法を使うことができますす。ポリジュース薬をつくるには、正しいモノを、正しい量だけ入れ、正しい手順を踏めば、誰で…

フレームワークで考えるクセを

最近、フレームワークってすごく使えるなと感じています。 フレームワーク(frame work)というのは「思考の枠組み」という意味です。考えごとをするとき、あるフレーム(型)に当てはめて考える方法、くらいの意味です。 すこしわかりづらい概念だと思います…

リスクを取らないことがリスク:『リスクの正体』

リスクの正体!-賢いリスクとのつきあい方 (木星叢書)作者: 山口浩出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2009/01/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 4人 クリック: 25回この商品を含むブログ (12件) を見る リスクとは「予測できない危険」のことです。な…

だれもがプレゼンター:『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』

関心のない話を聞くのはつらいものです。 友人の自慢話から、販売員のセールストークまで、周囲には関心をもてない話が溢れています。 もっと上手くプレゼンしてくれたらいいのに。 が、プレゼンは人ごとではありません。ぼくたちは聞き手であり、話し手でも…

荒れた空間を整理する

世界は秩序から無秩序に向かっています。 物理学ではこれを「エントロピー増大の法則」といいますが、ようするに整っていた状態からカオスに向かっていくわけですね。 たとえばペン立て。 これはぼくの机の上に置いてあるものですが、ご覧のとおり、めちゃめ…

情報を引き出すだけにあらず:『人を動かす質問力』

「ねぇ、夕飯どうする?」 こんな質問をよく耳にしますよね。そしていつも答えに詰まります。あまりに回答範囲が広いから。これを「オープンクエッション」といいます。逆に「夕食はしょうが焼きでいい?」というような具体的な質問を「クローズドクエッショ…

世界や自分から発見するために:『「意識の量」を増やせ!』

「意識の量は社会力だ」と著者は言う。 「意識の量」を増やせ! (光文社新書 522)作者: 齋藤孝出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/06/17メディア: 新書 クリック: 17回この商品を含むブログ (15件) を見る なるほど、たしかに意識の量が多い人はよく気が付…

母からの卒業:『SUPER8/スーパーエイト』

ジョーが持ち歩いているペンダントは、いまは亡き母そのものだ。 母を失ったジョーの顔には、悲しみは見当たらない。しかし、自分と母の写真が納められているペンダントを大切に持ち歩いていることが、母を忘れられずにいることを表している。 ある日、ボン…

必然的に起きた正しいこと:『127時間』

わがままな人は厄介です。自分の力で生きていると思ってるから、人を頼らないし耳も貸さない。彼らには言葉が届きません。 そんなわがままな人・アーロンは、ブルージョン・キャニオンという目的地を目指している途中、岩に腕を挟まれてしまいます。岩に体当…

あえて信頼するという戦略:『安心社会から信頼社会へ』

人を信じる人はお人よしで、ダマされやすい。 常識的にはそう考えられてますが、ホントでしょうか? 実は逆なんです。 安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)作者: 山岸俊男出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/06/01メディア: 新…

上手な汗の流し方:『上達の技術』

モノゴトを上手になりたい人は多いですよね。 上達するのは楽しい。いままでデキなかったことがデキるようになるから。 上達の技術 一直線にうまくなるための極意 (サイエンス・アイ新書)作者: 児玉光雄出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2011/04/16…

シーシュポスの岩を運ぶ者たち:『グリーン・ホーネット』

「汚職や暴力や退廃がこの街の日常になっている」 新聞社の経営者である父ジェームズは、自堕落な生活を送る息子ブリッドにそう語り、「私を見習え。私のように生きろ」と説教したあと、とつぜん死んでしまう。 ジェームズが経営していた新聞社は、息子のブ…

アイデアはクリエイターだけのものじゃない:『アイデアのつくり方』

アイデアは閃くものだと言われてますよね。 フリスクのCMは、そんな「閃きの場所」を示しています。 会議室でアイデアは生まれないんだよ!、なんてこともないと思いますが(笑)、このCMはアイデアというものが一般的にどのように捉えられているかをよく表し…

呪いの言葉が解除される日はくるのか?:『ソーシャル・ネットワーク』

『ソーシャル・ネットワーク』は呪いを巡る話だ。 マークはとにかく頭の回転が速い。いくつかの話題を同時に進めることができる。賢さをアピールするには最適の方法だ。 けれども、話し相手の彼女・エリカには、真剣に話しをしてくれないヘンな彼氏にしか見…

iPad2買いました

ちょうど1年前にiPad(以後、iPad1)を購入したのですが、3ヶ月ほど使用して手放してしまいました。 理由は、重すぎたことと、持ちづらかったから。 しかし、先日購入したiPad2(Wifi 16GB 黒)は、 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = …

操作世界に自由はあるのか?:『アジャストメント』

自由には3つの条件があります。*1 1.自分が意図した行動結果が一致すること 2.意図が行動より先にあること 3.自分の意図以外に原因がないこと この3つの条件が満たされているとき、ぼくたちは自由だと感じます。 逆に、どれか1つでも欠けてしまうと…

自動思考にご用心:『はじめての認知療法』

まず、こちらを。 ありませんか、こんなこと?(笑) これはぼくの体験談ですが、かんたんに説明しますと、車内に入ってきた女性が自分のとなりに座らなかったことを「認知」して、自分が嫌われているように感じて悲しくなり、クサっている4コマ漫画です。 こ…

「みんなのため」から「わたしのため」:『24 ファイナル・シーズン』

『24』のファイナル・シーズンを観ました。 今シーズンは脚本もしっかりしていて楽しかったです。 ひさびさに観賞していて思いを強めたのですが、主人公のジャック・バウアーってすごい割りを喰ってますよね。 アメリカの危機を何度も救っている大英雄なの…

全部取りより「一点豪華主義」で

ぼくの部屋には計2台の机があります。ひとつはPC用、もうひとつは作業用の机です。 しかし、どうも後者の机が狭くて困ってます。本やら文房具やらペットボトルやらが散乱してるので、作業するスペースがありません。地味にストレスが溜まっていきます。 そ…

未成年からの脱出:『冷たい熱帯魚』

目を背けたくなるほどグロテスクで、頬が赤くなるほどエロチックな映画である一方、啓蒙的なメッセージを含んだ映画でもありました。 この物語のどこに「啓蒙」が? この映画は、大量殺人事件の共犯者・社元(吹越満)の視点で描かれています。 彼は、主犯・…

最強のインタビュー術

注:お蔵入りしていた下書きを見つけたので、アップします。 今年の2月頃にメモっておいたものです。 きのうの昼頃、名インタビュアーの吉田豪さんが、あるつぶやきをRT(リツイート。気に入ったつぶやきを拡散する行為)してました。 そのつぶやきの内容は…

IQテストでそこそこの点数をとるコツ

2chで流行っている(らしい)IQテストをやってみました。*1http://onemansblog.com/wp-content/uploads/2007/11/iqtest.swf 全問解答するのはなかなか骨が折れたのですが、わりと楽しかったです。 コツもわかりました。 『テスト・ザ・ネイション』でテスト…

怒りの消火方法:『もう、怒らない』

先日、怒りの体験をしました。 (電話で在庫確認をしようとして…)「あ、すみません。そちらにiPad2の在庫、ありませんでしょうか?」「iPad2の在庫ですか? すべて完売していますが…(まだ何か?)」 電話をとられた方は、その声色や落ち着ついている感じ…

「欲求のちがい」による不幸:『ブルーバレンタイン』

なぜ結婚生活がうまくいかないのか? 「愛には努力が必要だから」という意見があります*1。 しかし、努力ならしていました。 ならば、なぜ? 「欲求がちがう」からです。 夫・ディーンは「自分の心に忠実に生きるのが幸せ」であり、妻・シンディは「人に認め…